かものはし日記
2001年5月号


5月1日

突然
ストレンジャー・ザン・パラダイスが観たくなってしまったので
レンタルしてくる
この映画の主人公ジョン・ルーリーは
ラウンジ・リザーズというジャズバンドのリーダー兼サックス奏者
最近彼のインデペンデントレーベルのサイトを見つけて
CDを注文してしまった
ストレンジアンドビューティフルミュージック
いいレーベル名だ
最近の傾向として
ネットやライブで
ミュージシャンが個人でライブのCD-Rを
安く売っていたりしていて
楽しいよね
これからは
大きなレコード会社より
小回りが利く個人経営のレーベルが流行そう

いつも行く立ち食いそば屋が
テレビで紹介されたようです
うれしい
(だって、おいしいもん、天ぷらもその場で揚げているし)

ちょっと肌寒い東京
なんかさえない新庄
とゆうか
ニューヨークメッツ自体が弱い
がんばれ水原勇気!、って
そりゃ、東京メッツだ(ネタが古い)

5月2日

今日は朝から掃除
多分今日あたり妻が帰ってくるかもしれないので
カオス率を5パーセント以下には抑えたい
すっかり独身気分に気持ちがシフトしてしまった
電話以外はほとんど人と話さなかった一週間
黙々としてしまいました

5月3日

妻、無事帰還
今までの旅行の中でいちばん楽しかったそうな
(俺との新婚旅行より楽しかったわけだな(笑)
いい休みが取れたようだね

世田谷区三軒茶屋の猫型宇宙人の帝国を
量産型のブラックマジンガーZに乗って
攻め込む、という夢を見る(なんじゃそりゃ)

敬愛するサックスプレーヤー川下直広氏のホームページ
マネキネコ商会からCD(未発表ライブ音源)が届く
相変わらずの見事な演奏に感動して
マネキネコ商会のCDは全部買うことに決める

5月5日

後藤の展覧会へ
北軽井沢!
途中浅間山の鬼押し出し園という観光スポットによる
溶岩流によってできたオブジェのような石の群
この世のものとは思えない光景に
思わず仕事の資料に使えると思い(笑)写真をいっぱい撮る
展覧会場の喫茶店は
とても素敵にこじんまりした喫茶店
ホームページにアップされていたひどくめちゃめちゃな地図にもかかわらず
けっこうな人に来ていただいてよかったよかった
後藤の絵もずいぶん変わっていい感じになっていて
ああ、お互い別々の道を歩み始めたのね、と
しみじみ思いました
そとでは
ウクレレとオーストラリアの蟻塚でできた笛でセッションしている若者たち
赤松の林
強い日差しに冷たく澄んだ空気
喫茶店で出されたおいしい玄米定食(外で食べた)
なかなか後藤らしいところを会場に選んだなあ、と感心
夜は
後藤のお母さんと一緒にペンションで宴会

5月6日

軽井沢のおみやげ屋さんで
佐久の野沢菜と安雲野のわさびが入ったベビースターそばふりかけ
を買って帰る

5月7日

旅の疲れか、仕事をする気になれず
朝から友人と長電話
お昼少し休んで
午後から夕方まで長電話
長電話は楽しいねえ
とりとめのない長電話はまるで音楽のよう
淡々と流れたり
大きなうねりがあったり
なんでもすぐ音楽に結びつけるのは僕の悪い癖か
音楽と同様長電話も素敵に無意味なところがいいよね
友人は締め切り間際
大丈夫かな、すまんね

5月8日

新庄4打点でうれしいのだが
巨人広島戦のスタンドの空席が目立つのがちょっと心配
ちょっと巨人が強すぎ
長島が作った(盛り上げた)日本のプロ野球なんだから
長島がぶっこわしても誰も文句は言わないんだろうな
とほほ
なんか全体的にレベルが落ちているのか
昼間大リーグを観たあとだからそう思うのか
西武のカブレラだっけ
彼が現時点で18本塁打も打ってしまうということは
やっぱりレベルが落ちているのかな
巨人も防御率があんなひどいのに勝つし
なんかめちゃめちゃ

5月9日

友人の痛みを100パーセント受け入れる強さは全くないが
(50パーセントもない、がんばって30パーセント)
友人の幸せを100パーセント受け入れる準備はあるぞ

5月10日

国会中継がなかなか笑えて楽しい
政治もようやく時代の流れに近づいてきたような
時代に関する感受性がいちばん鋭いのは
音楽
いちばん鈍いのは
政治
だろうか

うちのマンションの2階の美容院がつぶれそう
ちょうど去年引っ越してきたときにオープンしたのだけれど
その時はとても華やかだったのに
入り口においてあった観葉植物が
水をあげていないようなので枯れかけている
人は余裕がなくなると
自分ではないものに愛を注げなくなる
ハードディスクの空き容量がたくさんないと
アプリケーションがちゃんと動かないパソコンのように
人も余裕がないと
世界に愛を注げなくなっちゃうのね
人の心に空き容量を。
愛は空き容量(空白部分)に宿る
そうか、老子の「空」とはそういうこと?
どんな状況になっても空き容量を保つこと
とりあえず
自分のひどい状況を笑っちゃう
この方法はインディアン式です

5月11日

例の立ち食いそば屋でそばを食べていたら
バリッとブランドもの風のスーツを着たかっこいいねーちゃんが入ってきて
とろろそばを注文
立ち食いそば屋に若い女性が入ってくること自体ちょっとびっくりしたのだが
さらに
そばがゆで上がる間、カウンターに手をおいて軽い屈伸運動
あんまりかっこいいんでうっとりしちゃった。

5月12日

絵描きは音楽家に嫉妬する
詩人も音楽家に嫉妬する
小説家も
映画監督も
みんな音楽家に嫉妬する
その嫉妬が作品を生み出すときの原動力になる
音楽家は?
音楽家は音楽に嫉妬する
そしていちばん嫉妬深い
大貫妙子さんの新譜「アンサンブル」を聴く
ポジティブな心を持ちながら
ネガティブな気持ちを受け入れるとき
うねりが生じる
静かなうねり
すべての素敵なものにはこのうねりがある
音楽への嫉妬
この世でいちばん素敵なネガティブ感情

5月13日

めがねを新調
めがねのフレームはどんどん小さくなっていく傾向にあるらしく
どんどん視界が狭まっていく

5月14日

散歩をしていたら武富士のお姉さんにティッシュを貰う
ティッシュをひっくり返すと
武富士のビルに放火した犯人の似顔絵が貼り込んであった
なんかすごい

5月15日

新作絵本「まあるくなって・・」が完成しました
そろそろ書店にまわると思いますので、是非見てやってね
この本がいちばん僕らしい、と思ってます
けっこうシュールに上がりました(笑)
さらに
誤字があります(笑)
(分かった人はメールをください、抽選で・・・)
僕らしいでしょ?
中身の印刷もなかなか綺麗に出ているし

新聞の雑誌広告の見だしに
ひきこもりとベトナム帰還兵の精神状態が似ているらしく
学校は戦場か?
と書いてあった
大人になった自分からすると
とてもじゃないがもう一度子供には戻りたくないって思っちゃう
子供の世界って過酷だもの
今度生まれ変わるときはいきなり20才で生まれたい(笑)

5月16日

朝から雨
この季節は雨も気持ちがいいので
傘を差してちょっと遠出の散歩

そろそろ梅雨が近づいてきたせいか
原稿の乾きが悪いので
のんびり仕事をする
季節に合わせたテンポで絵が描けるのが水彩画のいいところ
とあるイラストレーターさんは
絵の具を乾かすのに決してドライヤーを使わないそう
自然に乾くのを待っている間
ひたすらギターを弾くらしいのです
かっこいい

5月21日

苦言
1.何で夕方のニュースはグルメ情報ばかりなんだ
2.映画の吹き替え及び字幕に流行語を使うのはやめて欲しい
可及的速やかに、とかね
3.どうして横浜ベイスターズはあんなしょぼいチームになってしまったんだ
4.イチローが毎日ぼこぼこヒットを打っていても
サヨナラヒットを打った新庄の方が素敵さ
(これは苦言じゃないか)

5月22日

5.射殺した熊をさらしもののように
テレビで映すのはやめてくれないかな
まわりの猟銃持った親父も不愉快だ

新庄、今日も大活躍
コメントもいい
「ランナーを一人くらい返そうかと思っていたら
みんな返って来ちゃった」

5月23日

シーズンが終わって
新庄が3割を越している姿が目に浮かぶぜ

いま、密かに野球のグローブを買おうと思っているのだけれど
誰かキャッチボールの相手をしてくれないかな

ハンセン病訴訟、控訴せず
昨日今日と
政治家がちょっとかっこよく見えた
大人がかっこよくないと
子供はちゃんと育たない

5月25日

前日の打ち合わせで編集者さんが
アニメ、アイアンジャイアントはいいから是非見て下さいと言われたので
借りてきてみた
泣いたよ(笑)
キカイダーもそうだけれど
なぜ人は機械にイノセントさを求めるのだろう
機械というものは人の欲望の延長線上にあるのに

5月27日

渋谷にグローブを買いに行く
松井モデル(笑)
左利きはそれしかなかったのだ、とほほ
残念ながら新庄モデルっていうのはなかったな
とゆうか
最近野球道具を売っているスポーツ店がないんだよね
当たり前と言えば当たり前だがみんなサッカーばかり

5月28日

なっとうとチンゲン菜とシメジと挽肉の卵綴じ
という料理を作る
レシピにはどう考えても誤植がある
(醤油大さじ6なんて、絶対おかしい)
てゆうか
おいしくなかった(笑)
もう二度と作らないと宣言
まあ、でもチャレンジは大事さ

5月29日

今日は
オリジナルの新作料理を作ろうとしているのさ
どきどき

毎月来るナショナルジオグラフィックをぱらぱらとめくる
この本
内容はすばらしいのだが
エディトリアル・デザインが悪すぎる
内容がすばらしくても
デザインが悪いと
なんかとてもつまらないものに見えてしまう
デザインは大事!
でも
お母さんライオンが仰向けに寝ていて
その顎の上に子供ライオンがちょこんと
顎を重ねている写真はとてもプリチーであった


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