かものはし日記

2002年6月号


6月1日

いよいよワールドカップ
昨日はセネガルがフランスに勝って大盛り上がり
セネガルの勝利のダンスを
テレビの前で妻と踊る
(シャツを脱いで、床において
そのまわりで踊るのだ(笑))
しかしジタンを観られないのは残念
今回のワールドカップはけが人が多すぎるよね

今日は朝から散髪屋さん
頭をベッカムにする(笑)

昼間は友人たちと表参道の同潤会アパートの展覧会に行く
(アイルランド・カメルーン戦はどうなったの?)

夜は
本郷でものすごいまずいカレーを食べて
ヨレヨレになって帰ってくる
こんなにまずいものを作って金を取るなんて
怒りを通り越して
不思議ですらある
(でも、残さずに食べる。)

ドイツ・サウジ戦は
ワンサイドで面白くなかった
でもドイツらしい強さだね
堅実で美しい
パスが相手ディフェンスの裏に抜けていくときの美しさ
サッカーのエクスタシーはゴールより
ゴールの一歩手前のこの瞬間にある
オフサイドというルールがあるからこそ
この美しさが立ち現れてくる
制約の中にこそ自由がある

6月2日

朝刊に
イングランド・スウェーデン戦のチケットが
余っていて、今日の正午までネットで発売と書いてあったので
ずーっとアクセスし続けていたのだけれど
繋がらず、がっかり

アルゼンチン・ナイジェリア戦は
ハイレベルな好ゲーム
アルゼンチンのサッカーは
力業でエレガントさに欠けるので
今ひとつ好きになれないのだが
バティストゥータのキックはすごい
彼のはずしたキックを受けたサポーターは光栄だね
オルテガのアゴが嫌い(笑)

イングランド・スウェーデン戦は今ひとつ
ベッカムは調子悪そうだし
いまひとつイメージ通りのイングランドじゃないのが心配
後半は両チームともダレ気味

スペイン・スロベニア戦は
なんか重々しい、ねちねちしている
というか
なんか人数が多い気がする(笑)
しかし、あのPKはないよな

一日に3試合もサッカーの試合を観るのは
結構きついね
お腹いっぱいっていう感じ

6月3日

マンションの自転車置き場に行ったら
自転車がない
先日、自転車置き場で盗難事件が起きていたので
しまった、やられたと一瞬思ったが
何のことはない
朝方、コンビニまで自転車で行ったのに
それを忘れて徒歩で帰ってきてしまったのでした
おれ、もうだめかも

イタリアは強いね
やっぱり
アルゼンチンかイタリアかな
優勝は

風呂場の非常用のボタンを誤って押してしまい
セコムの人がきてしまう
なんかがっかり
おれ、もうだめかも
しかし
死ぬときは非常用のボタンなんか押さないよ、おれは
潔く死にたいもん(笑)

6月4日

東京は厳戒態勢
渋谷の有名なスポーツバーでは警察官がうろうろ
テレビを観ていたら
会場でアルゼンチンのサポーターのおじさんが
ビールの購入を拒否されて、ちょっと寂しそう
いいじゃん、お祭りなんだから
あばれて、人が死んでも(笑)
日本だって
崖から大きい丸太を転がしてたくさんの人がそれに乗ろうとして
丸太の下敷きになって死人がでる、いかれた祭りがあるし
博多のお祭りだって
山車がカーブを曲がるときに
山車に乗っている人が落ちて死んだり
家に激突して家が壊れたりしてみんなに迷惑をかけているしさ
戦争で死ぬんじゃないんだ
お祭りで死ぬんだよ
本望だよね

観ていてほんとに疲れてしまった
前半は今まで観た試合の中でいちばんたるかったが
後半はようやく目が覚めたようです
調子の落ちている日本
パス回しもちゃんとできないのだが
力業でもぎ取った2点
頑張りました
パワーを感じました
でも
あの審判、コスタリカ野郎が
どうも気にいらん

6月5日

ドイツ・アイルランド戦はすばらしかった
ロスタイムでのアイルランドの同点ゴール
サッカーは
世界が無常であることを示唆してくれる
状況は悪い
でも大丈夫
それは世界が無常だから
常に動いているから
焦らず待っていれば、いつか流れがやってくる
そして、焦らない静かな心が
内なる智慧を呼び覚まし
美しいスルーパスとなって
実体化する
そしてゴール
なんて美しいスポーツなのだろう

やはり、シュワちゃんの国、アメリカ
技術のポルトガルを凌駕する「当たり」の強さ
オリンピックの時も日本はこの当たりの強さに負けたのでした
力業は政治だけでなくサッカーも
いろいろな国の個性がはっきり出てくる
ほんとうに国民性ってあるんだね
なんか複雑
僕としては国民性なんてものには興味がなくて
国の代表チームという組織の中から
どうしても立ち上がってきてしまう一人の人間の個性に
うっとりしてしまうのだけれど

6月6日

フランス・ウルグアイ戦
なりふりかまわなくなったフランスもなかなか素敵
審判のジャッジが今ひとつ不可解

近所に有名なスポーツバーがあって
連日にぎわっている
そしたら
同じ通りのラーメン屋が
ワールドカップの期間中だけいきなりスポーツバーに変身してしまった
中は当然普通のラーメン屋で
ちょっと大きめなプラズマテレビがあるだけなのだが
スポーツバーにあぶれた人たちが
流れていくみたい
今は、お店でサッカーを中継するだけで
人が集まってくる
サッカーは一人で観るより
みんなで観るものだよね

6月7日

イングランド・アルゼンチン戦
因縁の試合にもかかわらず
スムーズに試合が進んだのは
すばらしい審判のおかげ
不可解な判定や公平ではない判定が全くなかった
ベルギー・日本戦は彼に審判して欲しかったな(笑)
試合後
ユニホームの交換をした選手がひとりもいなかった
準決勝あたりでもう一度当たるはずだから
今度は交換する姿を見たい

6月8日

ブラジルのサッカーはやはり美しかった
選手が音符のようにフィールドを踊っているように見えたのは
今のところブラジルだけ
中国のスピードもすばらしかった
若い選手が多かったみたいだし
4年後はもっともっと強くなるんだろうね

新聞を読んでいたら
とある記事で
アメリカ人は
サッカーのオフサイドというルールをなくそうとしているらしい
(笑)
オフサイドがなければ
ぼこぼこ点は入るし
そりゃ楽しいのかもしれないけれど
アメリカ人は
サッカーを
足を使ってやる籠のおおきいバスケットボールとしか思っていないのでは?

白金6丁目あたりを散歩
白金のイメージとはほど遠く下町情緒が残っているところで
とても楽しい
お風呂屋さんもある
猫も寝ている
軒先に鉢植えがいっぱいある
でも
古い瓦屋根の家を改造した喫茶店があるところは
やはりおしゃれな町なのかも

6月9日

日本・ロシア戦後
外がやけに騒がしいので
出かけてみると
もう、どこもかしこもお祭り状態
辺り一面、青いレプリカユニホームを着た人たち
暴走族は乱入するし
町行く人たちはハイタッチとハグの嵐
サッカーというのはなんなんだろうね
人の無意識をいちばん刺激するスポーツ
多分人は
混沌がひとつの流れを持ちはじめ
その流れが何かを突破するときに
何某かの価値を生み出すときに
いちばん幸せを感じるんじゃないのかな
サッカーは
そういう人の心の中を
いちばん具体化しているスポーツなのかも

6月10日

友人と長電話
もちろんサッカー話
いくらサッカーが面白くても
ワールドカップは4年に一回でいいよね、という話
だって身が持たないもの(笑)
友人は
サッカーを音楽のようだと言っていた
22人のビックバンド
選手一人一人のバランス感覚

相手チームとのせめぎ合いが生み出す過激なハーモニーとポリリズムが
楽譜のない音楽を生み出す

アメリカ・韓国戦の地上波のテレビ中継がなくて残念
好カードなのに
仲良く引き分けでよかった

チュニジア・ベルギー戦
思うに
グループHの中で
チュニジアがいちばん美しい
がんばれ日本
1点差以内の負けなら1次リーグ突破らしいけれど
勝って、1位突破してね

ポルトガル・ポーランド戦
優勝候補ポルトガルがついに目を覚ましたという感じ

6月11日

ジダンは
なんか
ジャイアント馬場と同じオーラを放っているような気がする
ぼくとつそうな感じがね

カメルーンのサポーターが
試合中観客席でおまじないをしていた
セネガルのダンスといい
アフリカ勢は
スピリチュアルな感じが僕好み

6月12日

イングランド・ナイジェリア戦
まったりとしたやる気のない引き分けねらいの試合(笑)
つまらない解説
(加茂さんと岡ちゃん)
イングランドはスタミナ温存なのかな

アルゼンチン、まさかの予選敗退
選手のみんなはしくしく泣いていたね
一生懸命やって夢やぶれた男の涙は素敵だね

手で食べるカレーのお店に行く
僕は左利きなのだけれど
ちゃんと右手で食べられるのです
(左手は不浄の手)
手で食べるのは、けっこうむずかしいね
食べ終わって
手をちゃんと洗っても
手にカレーのにおいが残ってる
帰りの電車の中で嗅いでみたりして

今日お会いした編集者さんは
優勝はスペインだと予想
美しいプレイをするチームだし
ポジショニングがすばらしい
音楽的に言うと、ピッチがずれないということ
グループBはスペインと奇跡のパラグアイが予選突破
どうもチラベルト(パラグアイのキーパー)はインチキ臭い
このインチキ臭さが勝負強さなのかも

6月13日

ブラジルはもう手がつけられないね
日本は予選リーグを1位突破しないと
ブラジルと当たっちゃう
ブラジルと当たるのは今はいやよ(笑)
こんな幸せ感覚を味わえるのも
みんな日本にきてくれた一流プレーヤーのおかげ
ジーコに始まり
ストイコビッチ
リトバルスキーやレオナルドや
日本にサッカーのすばらしさを身体で教えてくれた
たくさんの外国人プレーヤーに感謝しなくては
海外のサポーターの方々にも
日本は評判がよかったようだし
日本のサポーターが渋谷のハチ公前で大騒ぎしたあと
みんなでゴミ拾いをしていたのもとても素敵だ
さわやかなワールドカップにしたいよね

密かにメキシコを応援している俺
なぜなら
選手の中にちらほらとインディアンのような風貌の方々をみかけるから
インディアン好きの僕としては
応援したくなってしまうのでした(笑)

6月14日

日本がチュニジアに勝ち
1位通過で1次予選を突破したことを
友人と電話でたたえ合い
エレベータで乗り合わせた知らないおばさんと喜びを分かち合い
マンションの管理人のおじさんと握手し
青山ブックセンター本店へ
(ここに入ったとたん、ああ、ここはサッカーとは無関係の世界なんだな
と思ってしまった(笑)
今日は
敬愛する翻訳家の柴田元幸さんの公演があったのでした
柴田先生は
小さくて虫のような(すいません)人でしたが
聡明そうな素敵な声(テノール)
司会者のせいか、翻訳というものを今ひとつ掘り下げてくれなかったので
あんまり面白くなかったのですが
柴田先生の声がきれいに部屋に響くので
声だけに聞き惚れていました
(柴田先生の朗読もあったのだ)
声というのは、その人の知性やメンタリティを
如実にあらわしますね
イングランドのベッカムは
あんなにかっこいいのに
しゃべるといまいち声が悪い
妻がどこからか聞いてきたのか
ベッカムは頭が悪いとか言ってましたが
イングランドのゲームメーカーが頭の悪いはずはないわけなのだけれど
あの声にはちょっとがっかり

公演から帰ってきて
韓国ポルトガル戦
韓国も1次リーグを突破してほんとによかった
今回のワールドカップを観ていて思うのだけれど
スタープレーヤーがいるチームよりも
名もない選手達が組織力を生かしているチームが強いような気がします
俺が俺がという自意識が引っ張っていった20世紀的なものより
利他的で
バランス感覚を重視した21世紀的な共感能力が
より重視されるようになってきたのかも
そういう意味でも
韓国はいいチームだなあ、っておもいました
日本も韓国も勝ち進んで
決勝で当たって
試合後、ユニフォームの交換なんかしてくれたら
俺は泣くな、きっと

6月15日

イングランド、鉄壁の守り!
今大会一のディフェンス陣
セコムより安心(笑)
デンマークはボールを支配しても
ゴール前まで持っていけずに
もたもたしている間にイングランドのディフェンスに取られてしまう
ベッカムは
フォワードに蹴りやすい美しいパスを出すし
ゲームメーキングもすばらしい
ブラジルの波状攻撃を防げるのは
イングランドだけだね
ということは
日本はベスト4でイングランドと当たるというわけだね(笑)

デンマーク・イングランド戦の前に
本当に久しぶりにプロ野球を観たら
サッカーに比べると、あまりにスローテンポなので
NHK教育の将棋番組を観ているような気分であった
うーむ、困ったな
野球の見方を忘れているというか
何でこれが面白いのか、忘れてしまった(笑)
ワールドカップからプロ野球に頭をシフトするのに
ちょっと時間がかかりそう
(でも野球も好きさ!
セ・リーグはゲーム差も詰まっているので
夏場は楽しめそう)

6月16日

セネガル・スウェーデン戦
スペイン・アイルランド戦
見応えがありすぎて
1日がサッカーだけで終わってしまう(笑)
ワールドカップは
いろんな国の人々の特徴を
試合を通してじっくり感じられるのが素敵だよね

6月17日

「原体剣舞連」の原画の展覧会の打ち合わせ
開催は決定しました
場所は岩手県江刺市の六日町なかよし公園・蔵のギャラリー2階
時期は
いちおう9月2日から9月29日まで
という希望を出しておきました
(あるいは10月)
楽しみ楽しみ

サッカーというのはダンスだね
上から見ているとよくわからないのだけれど
ボールがサイドに流れていくと
カメラが地上のステディカムに切り替わり
選手の足さばきがクローズアップされる
ダンサーのようなステップ
しっかりした下半身と
それに支えられた柔らかな上半身
ダンサーゆえに
相手とのコンビネーションが重要
タイプの合わない相手だと実力が発揮できない不思議
アメリカのサッカーは
どの国ともかみ合わない(笑)
そこがアメリカの強みかな

ブラジルは
サッカー星からやってきたサッカー星人だな(笑)
次のイングランド戦が
地球人対サッカー星人という感じかも

6月18日

夢が終わり
町はすっかり静かになりました
エレベーターの中で同じ階に住んでいる高校生と一緒に残念がったりして
見知らぬ人とサッカーを媒介にして話しかけられるのが
楽しかった数週間
この期間中サッカーをやっている夢を何度かみました(笑)
なぜだかゴールポストが
ゴールラインに対して垂直においてある変なサッカーでしたが・・
僕は夢の中で2ゴール(笑)
今日は
一日中雨だったのに
夕方は真っ赤な(トルコ色?)きれいな夕日
今日の試合は一流の審判がジャッジしてくれたし
いい試合でしたね
選手のみなさま、トルシエ監督ご苦労様、ありがとう
ベスト16まで行ったのだからたいしたもの
あまり欲張ってはいけませんね
日本サッカーはドーハの悲劇から段階を踏んで強くなってきたのだから
4年後のドイツ大会でベスト8入りを目指しましょう
僕が死ぬ頃までに決勝に行ってくれればいいです(笑)
やれやれ
これでようやくゆっくりサッカーが観られる(笑)
(うそです、仕事をします。展覧会もあるし)

バランス感覚
サッカーという競技を通して
無常の中のバランス感覚というものをずいぶん感じることができました
一人の選手交代で
流れが変わっていく
相手によって踊るダンスを変える
あるいは変えさせられる
流れのリズムを変える
バランス感覚は動きの中で身につけなくてはいけないと思ったし
動きの中で身につけたバランス感覚は
時間を止められる
瞬間を永遠にできる

バランス感覚というのは
ようするに
「勇気」なんだよね
勇気がないと
動きの中でのバランス感覚は身につかない
動きの中で流れを変え
新しいバランス感覚を生み出そうとする意志
そういう意味でも
日本選手だけではなく世界のサッカー選手に
ずいぶん勇気をいただいた気がします

韓国、ベスト8
おめでとうございます
あの組織力と粘りは21世紀的だね

6月19日


久々に晴れわたり
とても気持ちがいい
6時に起きてしまった

絵本「原体剣舞連」の展覧会の会場の写真をいただいたので
載せてみました

外観
蔵をギャラリーに改造したそうです

内観
梁がむき出しなのが
雰囲気があってかっこいいですね

6月21日

さらばベッカム
そんなに日本が気に入ったのなら
マンチェスター・ユナイテッドなんかにいかないで
そのまま日本のどこかのチームに所属してよ
そうすれば、日本の国内のサッカーも盛り上がるのに

6月22日

弟が出品している展覧会へ
上野へ
お昼は、叔父とウナギを食べる
叔父はうちの家系では珍しくロマンチスト
定年退職後は
毎日自分でブレンドしたコーヒーを飲みながら
モーツアルトを聴くのが楽しみらしい
叔父「ひろし(僕の本名)、モーツアルトはな
自然の音なんだよ」
僕「要するに、作為がないってことだよね
すばらしい作品は音楽に限らず、みんな作為がないよね」
叔父「そのとおり、空からのおくりものなんだな」
なんていう会話をしながら
下町をぷらぷら歩く
叔父の素敵なところは
どんなことでも
たとえネガティブなことでも
「おもしろい」の一言で片づけること
叔父の「おもしろい」は
二元論を越えるんだよね
叔父「じゃあ、俺は韓国スペイン戦を観るから帰るぞ」
と言いながら別れる

4強決定
韓国は優勝するかもね
そういう気がする

なんか審判の判定でいろいろもめているようだけれど
それも含めてサッカーだよね
不公平だから面白い
友人が
優秀で公平な審判て、試合が動かなくなるからつまらないと言っていたが
なるほどそのとおり
いろいろな感情を持っている人間がやるからおもしろい
そして
最終的には
サッカーは
ナショナリズムとかイデオロギーとは何の関係もない
ただのフットボールゲームなんだということ
そこに着地して
お祭りは終わる

6月23日

サッカーのポジショニングは
風水の経穴(ツボ)のような感じ
ピッチ(サッカー場)を身体とたとえると
ボールの流れは経絡ととらえられ
選手のポジショニングは経絡(ツボ)にたとえられる(ちょっとこじつけ(笑))
ツボにはまれば
ボールは水の流れのようにゴールに吸い込まれる
流れを阻むのも(ディフェンス)
流れに身を任せるのも(パス回しからゴール)
ポジショニング次第
そこにサッカーという身体の快感(ゴールは快便っていう感じ(笑))
があるのだけれど
ただ、ブラジルみたいに
個人技がすごすぎて
そんなことどうでもいいようなチームを見てしまうと
ちょっと困ってしまう
ブラジルというのは
すでにサッカーじゃないんじゃないかと
思っちゃうんだよね

6月24日

今週は久々に
猫描き週間
猫をたくさん描く予定
頭の中を猫モードに切り替える
近所の公園に
野良猫を探しにちょっと散歩
その公園に
お尻を半分出している女の子がいたりして
ちょっと気が散る(笑)
(どーゆうファッションなんだ?)

元日本代表監督トルシエさん曰く
サッカーという球技は
3人の狂人と8人の模範生というバランスで
初めて強いパワーが生み出せるのだそうです
(ブラジルは狂人が5人くらい?
それともものすごい狂人(ロナウド)が1人とか)
変革を行うためのバランスですね
約30パーセントの狂気を
心に・・
狂気とは
シンクロニシティをつかみ取る直感力

6月25日

猫もそうだけれど
動物を描くコツは
いかにかわいく無表情に描くか、ということ
基本的に動物は無表情だから
人間のように表情をつけると
とたんにあざとくなる。
でも動物にも
豊かな感情と知性があるわけで
表情をつけずに
それを表現するのが
動物イラストの醍醐味なのだ

6月26日

いつもながらが
キーパーの判断力には
頭が下がる
今日のトルコ・ブラジル戦も
ロベルト・カルロス(だったかな?リバウドかも)が単独でボールを持った瞬間
まだ彼がずいぶんゴールから離れているにもかかわらず
トルコのキーパーが猛然とダッシュして
彼のシュートコースを切り
そしてタックル
昨日の試合は
このシーンを見ただけで感動
ストライカーより
実はキーパーの方が
すばやい判断力と高度な身体能力と勇気が要求されるんだね

6月27日

今回のワールドカップを見て思うこと
日本という国は
変なナショナリズムもなく
いろんな国を応援し
負けたチームもたたえ
(他国じゃ、負けたチームの監督、選手は犯罪者だからね
そうでなかったら審判が(笑))
いろんな種類のサッカーを楽しみ
結構フレンドリーで
(もちろん演じていた部分もあるかもしれないけれど
演じるということは、フレンドリーであろうとする意志を感じるからね)
意外と
インターナショナルだったのね
ベルギー・日本戦で
サポーターがおたがい別々に歌っていた歌曲アイーダが
最終的には一緒になって大合唱というシーンも感動的だったし
韓国を応援していた日本人もたくさんいたし
ほとんど顔をしかめてしまうような出来事がなかった
素敵なお祭りでありました。
確かに
日本はサッカーという文化の歴史は浅いのだけれど
その分、新しい何かを投げかけることができたのでは?
戦いの中ではなく
調和の中に緊張感を見つけたような


観るのに疲れました(笑)
サッカーを観ていると
それで一日がつぶれてしまうし
友人とサッカーの話をしていると、話が終わらなくなるし
もうあと4年は観たくないな(笑)
最後、決勝戦
4年後のドイツ大会での自国優勝のために
ドイツは、勝つのをためらうと見た(笑)
しかし
ブラジルのロナウド、リバウド、ロナウジーニョの天才3バカトリオ
(サッカーの選手が、頭が悪いはずはないのだが、
ほんとに頭悪そうな顔をしている3人)に
ドイツのキーパー、カーンが突破されるのは見たくない
カーン大好き!
ブラジルのめちゃめちゃサッカーも楽しいけれど
やっぱりドイツを応援したい
そして、4年後は
ドイツ監督に皇帝ベッケンバウアーを・・

6月29日

「バラカ」1992年アメリカ 監督ロン・フリック
という映画をビデオで観る
15年前くらいにコッポラとルーカスが制作した
「コヤニスカッテイ」という映画の監督で
神話学者のジョセフ・キャンベルの著書「神話の力」がコンセプトになっている
ということに惹かれて
レンタル屋さんを捜しまくって、ようやく見つけました。
基本的にはドキュメンタリーなのだけれど
ストーリーもせりふもなく
美しい映像と音楽だけ
チベットの僧院の朝
流れる雲の早回し
空の星

温泉に入っている猿
売春婦
パソコンの組み立て工場
ひよこの雄雌の仕分け作業(これちょっと観るのがつらかったが)
渋谷のハチ公前の交差点の早回し
ゴミをあさっている子供達
ニューヨークの浮浪者
兵士
アウシェビッツ
グランドキャニオン
バリ島のケチャックダンス
美しいものもそうでないものも
同じ視線で
何も相対化せず
優先順位もつけず
ストーリーもなく
何の先入観もなく
善悪もなく
ただそこに存在している。
バラカとは
スーフィー語で
生命の本質とか祝福とか息吹といったものを意味するそうです
いいことも悪いことも
ただあるがままに受け入れる
二元論を越えて虚空へと向かう
先入観を捨てて初めて生命力というのは立ち上がってくる
そういう映画でした
おすすめ!
僕はDVDを買ってもいいな、と思ったりしてます


back