かものはし絵日記
2004年3月号


3月1日

春の雪
春の空気はこのくらい冷たいほうがいい
傘を差して散歩に出かける
深呼吸をするとからだが透き通るようで気持ちがいいな

大地のエネルギーを歌に変えるのが役目

オリンピック予選U23日本vsバーレーン戦
ドローだったけれど
なかなか必死さが伝わってきていい感じ
アウエーの方が面白いなー
ジャッジが不公平だし
緊張感が伝わって来る
ホームってなんとなく気持ちがゆるむのでしょう
中東3連戦
楽しめそうです
それにしても中東の人って足が長いね

3月2日

一年半ほど前に立ち上がったNHKのアニメの企画が
ようやく動くみたいで
その打ち合わせにお茶の水へ
いつもひとりで仕事をして寂しい思いをしているので
久しぶりの共同作業がとてもうれしい
帰りはいろいろデザインを考えながら歩いていたら自宅に着いちゃった
(5キロほどの距離)
電車に乗るのを忘れてしまいました(笑)

3月3日

バランスのとれた生活をめざすのではなく
どんな状況でもバランスを保つ身体感覚をめざしたい
と思う今日この頃

YahooBBのデータの流出のせいか
毎日怒濤のようにウイルスメールの波状攻撃を受ける
こんな感じでU23日本代表もゴールをせめて欲しいと願っていたら(笑)
レバノン戦は4−0で大勝
でもUAEがバーレーンに3−0で勝っているので
喜びは半分
でもいい感じ、こーゆう綱渡りをしながら
チームは一つにまとまっていく
そういう過程がいちばん面白い

3月4日

ロジャーウオーターズの2000年のUSAツアー
in the flesh-live
のDVDを入手
元ピンクフロイドのリーダーのソロ活動
ほとんど1980年代に発表された過去の曲で
当時は音的に重すぎてあんまり好きにはなれなかったのだけれど
今聞いてみるとなかなか素敵
僕が年を取ってようやく彼の音楽を理解できるようになったのか
それとも彼が自分の内面と和解して、それが演奏に現れたのか
若い頃のものすごく神経質そうでちょっと気味の悪かったお顔(失礼)に比べると
ずいぶん穏やかないい顔になってました
リチャード・ギアみたい
人の心は変わっていくし
心が変われば顔も変わる
人生も
運命も
音楽も変わる

3月5日

UAE戦
必死さがすばらしい
世界で活躍している人たちは
みんな命がけ

といいつつ
実は裏でやっていた「たそがれ清兵衛」を泣きながら観ていたのでした(笑)
丹波哲郎の演技が好き

3月6日

ネギトロをちょっと多めに入手
毎日ネギトロ丼

実家から封の開いたお菓子が宅急便でいっぱい来る
弟は絵の先生なので
生徒さんからの頂き物が多く、それのお裾分けがたまにうちに来るのです
これは推測ですが
グルメな母親がたくさんの頂き物を全部開けてひとつひとつ試食して
あんまりおいしくなかったものがうちに届けられるようです(笑)
これも一種の生態系?
食物連鎖?

3月7日

三木成夫を読み返す
解剖学者で元東京芸大の教授
「海・呼吸・古代形象」うぶすな出版
好きな一節

内蔵の感受性がなければ世界は関知できない

科学は詩でなくてはならないと思うのです
ある種のロマンティズムがなければ科学ではない
真実なんてどうでもいいのです
人が世界はロマンティックだと思えば
世界はロマンティックに振る舞ってくれるのですから

3月8日

春は眠りが浅くなる

3月9日

一度でいいからオフサイドのないサッカーが観たい

3月10日

重力は愛、無重力は解放

7年前の少年が
社会復帰するようです
凶悪犯罪を犯した少年をわずか6年で
社会復帰をさせることに賛否両論あるようですが
ただひとついえることは
現実の世界で起きていることは
自分の中でも起きていると言うことです
全然他人事ではないのです
自分の中の理由のない悪意との葛藤は永遠に続きます
葛藤をさせてあげる環境を作ることが
大事です
子供の葛藤を受け入れるのが大人の役目ですから
魂がフラットにならないように

3月11日

人は機械を生み出すから人なのだ
という意見には50パーセント賛成です
それは人の属性のおおきなひとつでしょう
ならば
人と機械のいちばん素敵な関係はなんだろう、と考えるのです
人が生み出したたくさんの機械の中でいちばん美しい機械
今日そのデザインを起こして
企画として提出しました
なんとか動くといいな

3月12日

イギリスのBBCで
人生の中でもっとも勇気づけられた曲ベスト10というのをやっていました
ベスト10のうち2曲しか知らなかったのですが
そのなかにピンクフロイドの
comfortably numb
がありました
心地よくしびれさせる、というのが直訳でしょうか
ちょっと暗めの曲ですがいい曲です
勇気づけられると言うよりは気持ちがゆるむ感じ
僕はなんだろう
勇気づけられるというのは音よりも歌詞ということでしょうか
音楽って、勇気という具体的な感情を起こす前の感情を刺激するような気がします
もっと原始的な感情

3月13日

昔のらくがき帳をぺらぺらめくっていたら
今とは若干違うバランスで描かれた女性を見つけたので
色を付けてみました
過去に自分が描いたもののなかで
ちゃんと完成された原画より
らくがき帳のほうが好きだったりします
20年くらい前
シド・ミードの展覧会に行ったとき
原画はむき出しで展示されているのに
ノートの切れっ端に描いたらくがきは
丁寧にガラスケースに保存されてあって
この人もらくがきの方が大切なのかも、と思ったりしました
(単なる展示方法の問題だけかもしれないけど)

無という漢字は
無のくせに、何でこんなに画数が多いのだろう
(これもらくがき帳に書いてありました(笑)

3月14日

電球万象

サッカーアテネ予選日本がバーレーンに負けて
日本、UAE,バーレーンが勝ち点7で並ぶ
明々後日のUAE戦はお互い必死でしょう
楽しみ
中東の巧みな戦いぶりを日本は見習わなくてはね
サッカーは国際試合に限っては
スポーツではなく
外交なんだから(笑)

3月15日

やれやれ
不動産関係の記入もあって
今回の確定申告は手こずりました
元妻との共有財産の譲渡などがあって
彼女に書類等を送ってもらおうとしたら
土日は不在
(申告書の作成をぎりぎりまで放置したぼくがわるいのですが)
確定申告最終日の朝(今日)にようやく捕まって
いろいろ細かいところを聞いて無事終了
元妻は事務処理能力がものすごく高いので
こーゆうときはたのもしいねえ(笑)
(彼女はすでに提出しているので手元に書類が無いのだが
細かい数字とか全部覚えているんだもん)
前頭葉はなくても海馬はすごい(笑)

電球通り

今時のイルミネーションは電球より発光ダイオードですね

3月15日

打ち合わせの後
お茶の水の湯島聖堂を散歩
桜がちょっと咲いていました
生類哀れみの令の綱吉が建てたそうです
子供の頃
歴史の授業で
生類哀れみの令ってなんて素敵なんだろうって思いました(笑)
綱吉って動物好き?

U23といい土佐礼子さんといい
背水の陣のなかでのパフォーマンスがすばらしい
おれがなんとかしなくては、の大久保の精悍な顔も
くしゃくしゃになって走る土佐ねーさんの顔もとても素敵
バーレーンもすごい(笑)
でもどちらかといえば
UAEが勝って今日日本が引き分けて
あさって決戦というシナリオを期待していた非国民なおれ
やっぱり生き物って追い込まれてこそ
いいパフォーマンスをするよね
いま、追い込まれてる人は
いいパフォーマンスをするチャンスだね
ラッキーだね

4月16日

油断すると魂を持っていかれそうになるくらい
風が強い

3月17日

この星には
絶対勝たなければいけないものがひとつだけあるのです
それはサッカーの国際試合(笑)
それ以外のことはどうでもいいのです
前半に意外とあっさり点が入り、いまいち緊迫感がなかったね
オープニングの国歌斉唱のシーンで
UAEの選手たちの顔を見ていたら
ほとんど魂が抜けていたので
こりゃ楽勝っていう感じでしたね
やっぱり予選はいいよね〜
一日おきに試合というタイトなスケジュールもいい
苦しみぬいて勝ち上がってきてチームがまとまっていく
選手の名前を覚え
キャラを把握していく
これが楽しい

3月18日

たけしの座頭市を観る
決めぜりふがなかなかいい
「見えない方が人の気持ちがわかるんだよぉ」
「目ん玉ひんむいて見ても、見えねえもんは見えねえんだよな」

3月19日

ほとんど毎日虐待のニュース
今は人の気持ちになかなか余裕がないからね
愛というのは余裕がないと成り立たない
日々の生活の中で
ハードディスクをクリーンアップして空き容量のアップを

3月20日

お彼岸
お墓参りにはあまりいい天気とは言えませんね
お墓参りは天気のいい日以外は行ってはいけないそうです

3月21日

今日はいい天気
こういう日にこそお墓参り
連綿と続く生命の不思議に敬意を

洗濯をする
太陽に感謝
三木成夫のエッセイに
太陽は植物の心臓であるいう記述がありました
植物の光合成を生命体のおおきな生命エネルギーの循環としてとらえる
なかなか素敵な表現

3月22日

冬に逆戻りしたように寒い朝

3月23日

個人情報流出のお詫びの印の500円が郵便為替でやってきた
500円は高いんだか安いんだか
微妙
ネットワークにつなげた瞬間
そこは無法の海
善意も悪意も敷居が低い

3月24日

遺影は
ウッドベースを弾いている長さん
キリンラガービールのCMの時の写真でしょうか
映画でもコントでも
常にベーシストであったということでしょう
とても素敵な写真でした

3月25日

寒い

3月26日

今日は3台のパソコンのメンテナンス
サイトからいろいろなメンテナンスソフトをダウンロードして
デフラグしたり
いらないファイルを自動で捨てたり
大事なデータをバックアップしたり
年度末の大掃除

3月27日

母親と本家のお墓参り
天気がいいとお墓も気持ちがいい
静かだし
線香もいいにおい
墓石を水で清め
みなさんがいなかったら僕はいませんでした
という感謝のお祈り
死を祀る場所だからこそ
生をしっかりと意識する

ハルウララ
彼女が何を考えているかはだれにもわかりません
馬に勝ち負けなんていう価値観はあるんでしょうか
人間の都合のいいように
動物を勝手に擬人化して盛り上がっている状況は
あんまり好きじゃないな

3月28日

テレビを見ていたら
最近中高年の自殺が増えているようです
「自殺という可能性がなかったら
私はとうに自らの命を絶っていただろう」といったのは
ルーマニアの哲学者シャトランという人
この言葉は
死というものをちゃんと意識すれば
ちゃんと生きていけるということでしょうか
理屈っぽいですね
哲学者だからね
思考は死に直結してます
考えれば考えるほど物事は固まって動かなくなっていきます
よけいなこと考えずに体を動かす
そうすれば元気になるのです
われわれは動物ですから。
動くことこそが
正しい思考だと思うのです

今日もパソコンのメンテナンス
レジストリ(コンピューターを管理する大事な場所)のいらないファイルを削除する
削除しすぎたらしくて
(レジストリメカニックという英語のソフトを使いました)
いくつか立ち上がらなくなったソフトが・・
部屋を片づけすぎて
どこに何をしまったのかわからなくなったような状態
掃除をして
よかったんだか
悪かったんだか

3月29日

パソコンのメンテナンスのため
いろいろなアプリをダウンロードしていて思いました
才能というのは
アプリケーションソフトみたいなものだね
なにかやりたいことが見つかると
宇宙の彼方のアカシックレコードから
必要なアプリがダウンロードされます
でも
ダウンロードされただけでは何も起こらない
アプリケーションソフトは使いこなさないと。
やっぱり最終的には努力が大事
そして
さらにいえばこれらのアプリにはマニュアルがない
これがいちばん重要で
いちばん楽しいところです

アカシックレコードというのは
確かエドガー・ケイシーという霊媒師が書いた本のなかに出てくる
宇宙にある叡智の図書館(データベース)のこと

制約の中にこそ自由がある
手を使わないから
創造的なパフォーマンスが生まれるサッカー
絵を描いていると
完成に近づくにつれてどんどん制約が増えていきます
(下描きの時はまだたくさんのイメージの選択肢があるけれど
ペン入れ色塗りと完成に向かってだんだん選択肢が減ってくるでしょ)
以前は
それが嫌だったのですが
最近は完成が近づいてきて
イメージの選択肢が無くなれば無くなるほど
自由になれるかもしれない
と思うようにしてます
完成間際の一発逆転に賭けるということですね(笑)

3月30日

最近夕食は毎日魚の粕漬け
先週のお墓参りのあと
デパ地下で粕漬けを大量購入したのでした(笑)
粕漬け好きの僕としては
ぶり、銀だら、しゃけと実験的にいろいろ買ってみたのですが
ぶりは最悪
粕漬けは銀だらにかぎります
粕漬けはぶりのような味の濃い魚はむいていないようです

3月31日

シンガポール戦
ひどい試合
実は日本のサッカーはついに世界レベルに達したのです
それをおそれたジーコが
日本をわざと弱くしているのです
そうとしか思えません
まちがいない!


back