かものはし日記 2006年7月号


7月1日

今朝、前日行った恵比寿の居酒屋で酔っ払って携帯電話を忘れてきた事に気づき
(携帯ってほとんど使わないので身につかないんだよね)
お店に電話をかけると
そんな忘れ物はありませんよ、と言われ
はて、落としたとしたらそこ以外は考えられないのだけど
ないと言うんだからないのかもと理性は思うのだが
気持ちはざわざわするので
とりあえず現地まで出向く
案の定、僕が座っていた椅子の下に携帯が落ちていて
お店の人は気づかなかったようです

教訓

事件は現場で起きている(笑)
何事も現場に自分の足で出向かないといけません

ついでに
秋葉原で途中下車して
携帯の機種変更をしました
僕が使っていたtu-kaがauに取り込まれたようなので
auへ移行
料金プランを立てるときに
過去3ヶ月分の通話記録を調べてくれたのですが
3ヶ月で5分くらいしか使っていなくて
お店のお姉さんに笑われてしまいました
(でも基本料金が半額になって嬉し)

7月2日

死ぬ気でやれば、なんでもできる
という言葉は、今ひとつ具体的ではないけれど

ワールドカップのPK戦をやらされることに比べれば
どんな仕事も容易い

と言いかえるとわかりやすい(笑)
イングランド・ポルトガルのPK戦
普通の精神状態なら100パーセントゴールできる人たちが
ぽろぽろと枠をはずす
PK戦ってものすごいプレッシャーなのでしょうね

ポルトガル戦は、試合が荒れて楽しいです(笑)
(密かに応援してます)

7月3日

負傷退場したベッカムが人目もはばからず
顔を覆って女の子のように泣く
(なかなか美しい光景ですね)

一流のサッカー選手はみんなとても女性的

全体的な流れや状況を把握して
繊細なパスを通す
これは女性性の仕事です
悪童ルーニーでさえ
ボールコントロールはとても繊細
(ものすごくたちの悪い女ではあるが(笑)

女々しさなら
日本の男も負けてはいないような気がします
世界で一番女々しいサッカーをして欲しい(笑)

7月4日

中田の引退
なにかこうスタイリッシュ過ぎるような気もします
弱さをさらすことが、コミュニケーションだと思うのです

自分の中の大切なものは
守るものではなく
さらすもの

人はもっと無様でいい

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花の横顔

7月5日

北朝鮮のミサイル発射は
なにか、悲痛な叫びのようにも感じました
自らの力ではどうしようもなく
外圧で変えてもらえることを期待しているような
経済制裁とかではなく
日本が
朝鮮半島の統一に力を注ぐことができたら
どんなに素敵なことでしょう
(っていう考え方は甘いんだろ〜な)

7月6日

ソフトバンク監督、WBC代表監督、王さんの入院
とても心配です
ぼくらの心のお父さんですから

ジダンの目はキラキラしてました
(遠目で見ていると彫りが深くてよくわかりませんでしたが、インタビューの時よく見えました)
中田も目がキラキラするまで
サッカーを続けてほしい
僕も目がキラキラするまで絵を描く(笑)

7月7日

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願いごと

7月8日

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music for a new society

john caleがもっとも落ち込んでいたときに作られたというアルバム
ほんとにすばらしいアルバムです
ぼくは彼のすべてのアルバムを把握していないのですが
ちまたでは彼の最高傑作だそうです
やっぱり
落ち込んでいるときって
良いアイディアが出るチャンスなんだよね〜
落ち込み万歳(笑)

ヴォイス・パフォーマーの北原久仁香さんの朗読公演のチラシの絵を担当することになり
上野でプロデューサーと打ち合わせ
北村薫原作「語り女たち」の朗読公演の4回目を担当します
チラシが出来次第
HPにアップします
素敵な公演です
よろしければ是非見に来てくださいね

夕方
自転車で7年半かけて世界一周した方の講演を聞きに柏へ
その後は
恒例の大宴会
泡盛をいっぱい呑みました

7月9日

ということで
二日酔いでどんよりとした一日

日本人審判が3位決定戦で笛を吹き
高い評価を受けたことを誇りに思います
ちゃんと審判にもメダルがもらえるのですね
審判は試合をコントロールするという意味では演出家でもあります
素敵でした

7月10日

なぜか早朝目が覚めて
これ幸いとテレビをつけてワールドカップ決勝戦を観戦
試合は延長戦に入っていて
しばらくするとジダンが相手選手に頭突きをして一発退場
ここで今回のワールドカップは終わりました

とても悲しい結末でした

7月11日

ヴォイス・パフォーマーの北原さんの紹介で
新たなお仕事のルートが開かれ
感謝の気持ちでいっぱいです

その後は
彼女の10月公演のチラシのイラスト・チェック
僕の描いた彼女の顔を気に入ってくださったようで
なによりです
実在する人の顔を描くって
あんまりないので、緊張します

7月12日

誘われて谷中へ
「タイヨウのうた」の著者、天川彩さんとお会いしました
素敵な方です
ジャック・マイヨールのお話とか
ホピ族など
興味深いお話をたくさん聞かせて頂いて
楽しいひととき

7月13日

昨日谷中に誘ってくださった才色兼備な大人の女性、Tさんが
うちのHPの最新の日記が一番上にないので読みづらい
と言われたので
日記の順番を変えてみました
ねーさんがそう言うんだからしょうがない(笑)

といいつつ
また元に戻してしまいました(笑)
ある方よりメールを頂き
人の想いの変化や積み重ねは、時系列に沿って起きるものゆえ
上から下にスクロールしていくことで
感情の流れも自然に表現しているわけだから
今のままで良いのでは?
というご指摘があり
そういえば
僕も過去の日記をスクロールして読み返しつつ
今日何を書くかを決めていたのです
最新の日記が一番上に来ると
感情の流れが切れちゃうんですね

そゆわけで、Tねーさん
ごめんなさい

元に戻します

日記をちゃんと観ていてくださる方がいて
ほんと感謝です
ありがとうございます

ピンクフロイドのオリジナルメンバーであった
シド・バレットが亡くなったそうです
友人が教えてくれました
ピンクフロイドは僕にとってはいちばん特別なロックバンド
精神の故郷のようなものです
僕は最終的にはあそこに帰りたい、といつも思っています
シドが在籍していた初期のフロイドには
正直言ってそれほどの思い入れはないのだけれど
彼がいなかったら
名曲エコーズは無かったのです
精神を病んでフロイドを脱退した後
どういう風に生きてきたのでしょう
画家になったという話もありました
彼の魂の軌跡、そして行方がとても気になります

母親の悪口を言われて頭突きをしたジダン
他人にお母さんの悪口を言われて
黙っている息子は最悪です
言われたら三倍返し
口べただったら頭突きぐらいは当然でしょうね
ま、でもそれだけの話です
二人の男の問題です
マスコミは事を大きくしたがっているようですが
大きくする必要のない話です

7月14日

同業者のTさんと
上野の東京博物館、若冲展へ

もう、圧倒的です
力強くて、シャープ、でもかわいい
生き物たちへの愛情にあふれています
女性への興味が全くないのも
清いですね(笑)

青物問屋の若旦那で、家督を弟に譲って
生涯なんの不自由もなく生活していたそうです
絵に、ものすごい緊張感があるわりには
切実さがなく
とてもおおらかなのはそういうことなのかな
作品って
人生観がでますからね

若冲展のあと
Tさんと谷中のカレー屋でいろいろお話をする
Tさんの人生観もちゃんと絵に出ているんだね
と納得

どんな目にあっても
世界に対する愛情は無くさない

そういう強さっていいな

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7月15日

先週公演でお会いした
7年半かけて自転車で世界を一周した石田ゆうすけさんと
お酒を飲みながらゆっくりとお話をすることができました
いい女はもちろん大好きですが
いい男も大好きです

某新聞社の偉い人と石田さんと3人で
未来少年コナンに出てくるモンスリーって
いい女だよな〜
っていうところで、盛り上がっちゃった(笑)

7月16日

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eric dolphy / the complete prestige  recordings

ドルフィーがプレスティッジ時代に吹き込んだ17枚のLPと未発表テイクを
9枚組のCDにしたものです

音色で言えば
彼のサックス(&フルート)の音色が一番好きです
誰かの一番繊細な部分にそっと触れようとしているような
透明でスリリングな音色

7月17日

「再会」
もう一度出会う
再接続
失われた関係を新たな形で修復する

これからは
そういうことをしたい

7月18日

静かで涼しい夜
東京は5月下旬の気温だそうです
涼しい故に、窓を開けてもエアコンの室外機の低周波は聞こえず
たまにしとしとと雨音が・・
こういう日は
何かをするにはもったいない日ですね

7月19日

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this heat /out of cold storage

6枚組のボックスセットですが
うち5枚はオフィシャルアルバムの再発
1枚だけが未発表のライブ音源
全部未発表の発掘音源だと思いこんでいたので
ちょっとがっかりです

this heatだけがロックである
という言い方をしても
誰にも文句を言われないような気がします
ある意味頂点です
この先にはなにもありません
誰もいません

すさまじい強度としなやかさを備えた唯一無二の音楽

7月20日

作品とは恋文である
特定の誰かを喜ばせたい、楽しませたいと思って
描くのです
そして
描いている過程である奇跡が起こり
恋文は普遍性を獲得し
作品となるのです

夜中の2時に谷中のラーメン屋で
熱く語っちゃったよ(笑)

7月21日

明け方までお酒を飲むより
夜中の2時にラーメンを食べる方が
身体的にきつい俺

半身浴をして
体からラーメンを抜きました(笑)

7月22日

みんなで力を合わせればなんでもできる
というすばらしい発想が
歴史の中で
我々を幸せにしてくれたことがあったのか?
(ちょっとは、あったかもしれない)
結局は大きな破滅を生み出す
伏線に過ぎなかったのでは、
と思うのです

個人という弱くて繊細な力が
もっと重視される未来であって欲しい

7月23日

人間の身体というのは
そこから無限のポテンシャルを引き出すことのできる
宝の箱のようなものらしい
(らしいというのは、実感がないから)
でも
自己否定という幻影が
その無限のポテンシャルに限界を与えてしまうのです
(です、というのは実感があるから)

まだまだ
人の可能性はこれからなのです

7月24日

昨日はなかなか素敵な番組をふたつ続けて観ました
ひとつめは
情熱大陸
サッカー日本代表の新監督イヴィチャ・オシム特集
彼の品性、知性、そして愛情
彼の顔は、いつまでも見ていたい
すてきな表情をしています

彼が自分の中の恐怖心や絶望と
いかに向き合ってきたか
その勇気、そしてユーモア(これが一番大事)

人は見た目です
生き様、精神性はすべて顔に出てしまいますね

これからの4年間
リーダーとしての彼を見ることは
日本の若い人たちにとって
ものすごく勉強になるような気がします

そして
世界遺産はタスマニア特集
久々に
僕の守護動物、かものはしの映像を
観ることができました
水の上にぷかぷか浮いているかものはし
俺の絵とそっくりじゃん(笑)
ほんとかわいい

数千年前ゴンドワナ大陸から分裂した小さな島
単孔類などの個性的な生き物たち
朱色の川
(ある植物からタンニンが大量に溶け出して、川を赤く染めているそうです)
タスマニアに住んで
タスマニアの自然を描く
タスマニアの若冲になりたい
と、ふと思いました(笑)

7月25日

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もっこり山ってどこにあるんだろう

7月26日

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もっこり山はね

7月27日

もっこり山をご存じない方がおられるようなので
http://www.kincho.co.jp/cm/html/2006/odekake_katoris_mt/index.html

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ひまわりの五感(DM目次絵)

そういえば
最近、「夫がオオアリクイに殺されて未亡人になった」と言うタイトルの
エロ・スパムメールが来ます
まじめにだます気、ないだろ(笑)

7月28日

北原久仁香さんの北村薫原作「語り女たち」朗読公演も
今回で3回目
演目は「わたしではない」と「海の上のボサノヴァ」
「わたしではない」の緊張感ただよう世界から一転
「海の上ボサノヴァ」の優しさあふれる世界へ
コントラストのきいた演出
シンプルで無駄な音のないRYOJUNさんのBGM
「海の上のボサノヴァ」は
北村さんの素敵な音楽観
北原さんの満面の笑顔と優しい声
そして
吉田慶子さんの吐息のようなボサノヴァ
最後に
みゆきさんのモダンダンス
なんだかとても幸せな気持ちにさせてもらいました
(モンゴル人の友人も感激してました)

落ちはないのですが
この短編が一番好きです
音楽を愛する人たちには是非ご一読をお勧めします

今回は会場の鳩山会館まで
自転車で行きました
行きは、信号待ちが多くて40分ほどかかりましたが
帰りは30分
深夜、泥酔したまま不忍通りを爆走
結構アップダウンが激しい通りです
(どうやって帰ってきたか、あんまり覚えていない)
歩くとふらつくのだけど、自転車に乗るとしゃきっとしている自分に気が付いて
ちょっと驚き(笑)

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4度目(ラスト公演)が10月にあります
チラシのイラストは僕が担当
これは、仮チラシです
本番は、画面全体に絵が入ります(まだ、描いてないけど)
よろしければ是非いらしてくださいね

7月29日

画期的な都市計画のイメージ画を描くための打ち合わせ
エコロジカルで
スピリチュアル
日本的な自然観をオフィス街に持ち込む
こういうプロジェクトは実現しなければ意味がありません
絵に描いた餅で終わらせてはいけないのです
現実化の力になれるようないい絵が描けるように
神様にお願いしなくちゃ

7月30日

雑誌をぺらりぺらりとめくっていると
ロータス・エリーゼという車が目に入りました
内装がシャーシむきだし
車にほとんど興味のない僕でもちょっと目をひくシンプルなデザイン
最近は、ファッションもメイクも
コテコテ足し算方式から
少ない素材で勝負する引き算形式に主流が移行しつつあるそうです

足し算から引き算へ

何が不必要かを見極める時代

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感受性と想像力
 

7月31日

昨日今日と東京はとてもさわやか
夏の強い日差し
冷たい風
まるで軽井沢のようではないか

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先日パンダを生まれて初めて描きました
実はパンダがあまり好きではありません
だって
ちっともかわいくないじゃん。
でも
わざとかわいく描かないと
けっこうかわいく描けたりしますな