かものはし日記 2007年6月号


6月1日

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powerhouse sound / oslo,chicago : breaks

シカゴのならず者たちの若頭ken vandermark(sax)の新プロジェクト
メンバーはpaal nilssen-love、jeff parkerなど強面軍団
元気のあるとき聞けば
パワーをたくさんもらえるけれど
元気がないときは、逆にパワーを吸われる恐ろしい音楽
フリージャズですが
ポストロック風のアプローチもありとても楽しめます


6月2日

来月の個展の打ち合わせのため
恵比寿のギャラリーmalle

個展のテーマは
「はだいろのたましい。」
です

ここ数年ずっとイメージしようとしてきた
身体感覚のようなものを絵にしたいなあ、と。
身体と身体が重なることで
新しい形(抽象)を生み出せたら、
という話は建前で
好きなものを描きたい、というのがほんとのところ

女性と動物たちをたくさん描いております

会期は7月10日から15日まで
ぜひお越しくださいませ

地図です

6月3日

今日は惨敗
うーむ、自分って手強い
多分
手は新しいアプローチをしようとしているんだけど
臆病な自我がストッパーをかけているような気がする

仕方がないので
イカをたくさんさばいて
先週作っておいしくできたイカとさといもの煮物を大量に作る
小腹が減ったとき
ちょっとつまむのに良い

6月4日

今日も惨敗?
だんだんわけがわからなくなってきました

今日は
夏野菜パスタ!
トマト、たまねぎ、ズッキーニ、パプリカ、なすなどをオリーブ油で炒めて
仕上げはバジル

6月5日

無心であること

最近、友人との話題の中心は
「無心であること」
です。
人間関係も創作も
無心であることが大切
思考は過去のものでしかありません
世界との新たな関係性を築きたいのならば
無心あることが
一番大切なような気がします
不思議だけれど
この世界は
「無」からしか「有」は生まれないようです

6月6日

今日は
友人のおかげで
とても助かりました

ありがとうございます

昼食は
イカのソース焼きそば
夕食は
イカときゅうりの豆板醤炒め
最近はイカづくしな日々
そろそろ
イカは旬です
高タンパク低カロリー

イカは目が大きいので
さばくときにらまれているようで怖いのですが
大分慣れました(笑)

明日は多分イカのパスタ

6月7日

イカイカな日々

朝食
イカのあんかけ焼きそば
昼食
いかげその天ぷらとざるうどん
夕食
イカとなすとトマトのパスタ

今日は絵の具のセピア色をよく使いました
(失敗したけど(笑)
絵の具のセピア色はイカの墨から作られているそうです
確かにイカの墨は黒というよりは
暗褐色ですね

そして今夜は
マッコウクジラとダイオウイカが戦っている夢を見ることでしょう

6月8日

なんなんでしょうね
絵を描いていて
突然、霊界のお絵かきサーバーからの回線を切断され
しばらく不通になって
何も描けなくなっちゃう、っていうのは

頭の中で、ガツンと接続が切れる音がしたよ

接続料金が未納なのか
え、無料じゃないの?
その話を電話で版画家の大野隆司さんにしたら
「呑めば、なおるよ。」
と言われました
えっ、呑めば、なおるの?

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igloo ice music / terje isungset

ノルウェー出身のパーカッショニスト
氷を素材に楽器を作り演奏する
氷できている打楽器、アイス・パーカッションの響きは
氷できているとは思えないほど優しく多彩
氷というのは
触ると冷たいけれど
叩くと優しく深いんですね
物質の不思議を感じます

今年の夏を乗り切るアイテムのひとつに
加わりました

6月9日

お絵かきサーバー、応答なし

「法則」

絵を描いていると、ふと思います
この世に
「法則」などというものが本当にあるのだろうか
絵の描き方に、法則はありません
(ないから、困っちゃうんだけどね(笑)

アフリカのシャーマンが
ブラックホールなんぞに落ちるのは
ホワイトマン(白人)だけだ
と言っていたのを思い出しました

ある法則を信じれば
確かに世界はそれなりにそのように振る舞ってくれるようです
思いこみのいくつかが
実現するのも本当です
でも
それは素敵なことなのだろうか

だって
法則って、依存だもの
何かに依存している限り
そこは牢獄です
自由も愛もない

人が生命の不思議を語るとき
生命を
「法則のない秩序」として感じているはずです

だから人は素敵なんだし
自然が好きで
動物大好き
絵も好きなのです

お、ちょっと元気になってきたぞ

6月10日

今日は午前中
雷と豪雨
ひさしぶりの雨でなぜか心が躍りました
雨と雷の音がやけに心地よかったのです

僕のロック師匠からお電話を
いただきました
どう?、絵が描けなくなったのは、治った?
いや、まだ、ちょっと・・

「呑めば、なおるよ。」

えっ・・(笑)

お互い苦悩するみずかめ座なので
共通点がたくさんあって
いろいろ話を聞いてもらって
ずいぶん元気になりました
ありがとうございます

そろそろお絵かきサーバの回線が
回復しそうです

6月11日

ナスがいっぱいある
今週のテーマはナスだ
ナスをどうするかだ

夏野菜がおいしい季節になりました
旬のものを食べていれば
何が起きても
はつらつとしていられるでしょう
多分

6月12日

今日は展覧会の額を買いに新宿世界堂へ
額を買うとほっとします
後は描くだけだし

新宿御苑のインフォメーションセンターで
お茶を飲み、ぼーっとしながら
次の打ち合わせのためのラフを描く
ここは、穴場です
とても気持ちが良い場所

友人と生野菜ジュース専門店「ぴーまん」で
野菜たっぷりスパゲティを食べながら打ち合わせ

夜は
近所の友人が自転車で遊びに来たので
久々に飲み屋をはしごして
しこたま泡盛を呑む

お絵かきサーバの回線回復を確かなものにするためには
やはり呑まないとね(笑)

6月13日

昨日打ち合わせした仕事の資料を探しに図書館へ
「チンチン電車と女学生」
戦時中のヒロシマ
原爆が落ちるまでのわずか2年半
チンチン電車の男性乗務員がどんどん戦地に取られていく中
女学生がその穴を埋めるために
運転士として活躍していたのです

戦争があろうがなにがあろうが
少女達は恋をする
人を好きになる

個人個人の頭の中の内的闘争が終わらない限り
現実の戦争も
環境破壊も
なくなりません

何の恐怖心もなくただだだ世界を好きでいられる

そういう気持ちにはいつなれるんだろう

6月14日

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charles lloyd / lift every voice

関東は梅雨入りしたようですね
それぞれの季節は人の心のある部分を刺激します
梅雨は
人の内面の水的な部分を活性化させるのかも

水的部分てなんだろう

梅雨と言えばビニール傘
これは、日本の割り箸文化の延長線上にあるのでしょうか
他の国にはないそうです
環境に良いとはとても思えない文化ですが
どういうわけか僕は
数千円で買ったちゃんとした傘は、すぐに無くしてしまうのに
一本300円もしないビニール傘は決してなくさないのです
さらに
コンビニで僕のビニール傘を間違ってさしていったじいさんに
怒鳴ったことがあります(笑)
「それは俺の傘だ!」
(僕のビニール傘はワンタッチ式なんだもん)

このアルバムは
チャールズ・ロイドが2001年の同時多発テロにインスパイアされて
制作されたバラードアルバムです
鎮魂という意味合いもあるでしょうが
生きている人たちの内面への「言葉ではない」問いかけのように感じました
感傷的でないところがすばらしい

世界で一番高いところから
世界で一番低いところまで
さっそうと循環する水の分子たち
彼らに感傷はありません
変化していく喜びのみ

6月15日

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恒例の築地本願寺の
バリアフリーダンス・ワークショップ vol.2
「あんのん でざいあ」のチラシができあがりました

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イメージとしては千手観音のような感じでしょうか
来月の展覧会でも展示致します

6月16日

ヤクルトのピッチャー、グライシンガーがいいですね
イニングを終えるごとに
ベンチで必ずメモをとるクレバーな姿勢が素敵
多分対戦相手の特徴、自分の配給の反省点などをメモっていると思うのですが
こういう方は日本にはいそうでいなかった
人気が出そうです

久々に谷中で呑む
アイのない会話が続くので
呑みは早めに切り上げ
谷中の路地を、自転車を引きながら友人とぶらぶら散歩しつつ帰宅
谷中の夜はとても静かです
この静けさはお墓がいっぱいあるからばかりではなく
この狭くて入り組んだ路地のおかげでしょう
どうしたって車は入ってこられない
いったいここの住人たちはどうやって引越をするのでしょう

6月17日

今日終えた仕事は
イラストを描くだけではなく
デザイン、そして印刷所への入稿まで自分でやるというもの
エディトリアル・デザインなんて、やったこともないことを
つい引き受けてしまいました(笑)
最近の印刷所は自前のサーバーを備えていて
入稿はネットから簡単にできるのですね
いろいろ大変でしたが、けっこー楽しかったです
今はね
わからないことは検索すればたいてい出てきます
いざとなれば友人に聞けばいいし
図書館でイラストレータCSのマニュアルを借りてきたりもしました(笑)

やってみれば
なんとかなるもんだ

デビュー当時
小学校の授業くらいでしか絵の具を使ったことがないくせに
自宅に絵の具すらなかったのに
カラーの仕事を引き受けたことを思い出しました(笑)

案ずるより横山やすし

6月18日

何事も
いろいろ考えずに
行動に移した方が楽しいようですね

結果を案じる思考は、ある意味とても苦痛です
でも
行動はひたすら快感

直感→思考→行動
ではなくて
直感→行動

OS(思考)を通すとろくな事はないです
必ずフリーズするのはパソコンと同じ
再起動を強いられますね

人の再起動はたいていの場合
飲酒もしくは、ふて寝ですね(笑)

6月19日

友人からメールでちょっと不思議なメッセージを頂きました
不思議なメッセージ故
人によってはそれが真実か否かを問題にするのでしょうが
僕にとっては
それを送ってくれたという気持ちがうれしいのです

関わり合うこと

いつも他人に優しい感心をくばること
それが大切なんだなと
改めて思った日でした。

6月20日

最近は子供向けの動物番組でも
肉食獣と草食獣の命のやりとりを
ちゃんとみせています
先入観で濁った大人の目には
あの光景は
「弱肉強食」という言葉しか思い浮かばないと思いますが
子供達にはあの容赦のない光景がどう映るのでしょうか
ひょっとすると
ある種のコンセンサス
もしくは
和解
のようなものを感じているのでは?
と、おじさんは子供の感性に激しく期待しておるのです

王様は裸だ、と言ったのは子供ですから

所詮、科学とて真理とは何の関係もなく
その時代の雰囲気にあった理屈が幅をきかせているだけです
産業革命以後自然を資源とだけしか考えていない結果が現在です
環境保護は
自然を資源と考えているから生まれる発想です
別に自然を愛している訳じゃない

人はいつになったら
ありのままに世界を観て、その世界をありのままに受け入れることができるのでしょう

6月21日

うちのプリンターはキャノンのpixusです
使っていると意外と早い段階で
「インクが残り少なくなってきました。」というメッセージが出てきます
だからといって
安易にインクを交換してはいけません
このメッセージが出た後でもかなり使えます
さらに言えば
「インクがなくなりました。」というメッセージが出ても
再起動すれば使えます(笑)
企業の消費を促すメッセージに踊らされてはいけません

6月22日

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経王寺の戦没者慰霊法要のチラシとポスターができあがりました

経王寺は日蓮宗です
日蓮宗は音楽の宗教だそうです
朗読劇も素敵ですし、声明も聞き所です
去年の法要の時はしびれました
くわしくは、ここ

6月23日

夜はアコーディオン弾きの友人が出演する
暗黒舞踏公演を観に新宿へ
舞台でアコを弾く友人はなかなか凛々しくて
いつもの彼女らしい優しい音色も素敵なんだけど
こーゆうアヴァンギャルドな雰囲気もかっこいい
嶋田吉隆のドラムと友人のアコに合わせて
裸に金粉のダンサー達がうねうねする
夢に出てきそうなくらいの迫力

基本的に僕はダンスが好きなのです
ダンスはサッカー同様、目で見る音楽
ず〜っと観ていても飽きない

6月24日

時間があったら、マルレーネ・デュマスの個展に行こうと思っています
東京都現代美術館で7月1日まで開催中
江東区なので結構近所
晴れた日に自転車でいきたい

人間だけを描いている人
ポスターにもなっている女性の正面顔の絵がなかなか興味深い
タイトルにも惚れました

「邪悪は凡庸である。」

6月25日

イカが旬で
イカは大好物なので
イカばかり食べていたら
なんだか部屋の中がイカくさい気がしてきました(笑)
きっと僕自身もイカくさくなっているかもしれません

イカを裁くのが快感なってきました
イカの大きな目ににらまれながら
ぬるぬるした体を掴んで、内蔵を引っ張り出すのが(笑)

6月26日

特に好きでもないけれどなんとなく気になっていた
マルレーネ・デュマスを観に東京都現代美術館

やっぱり
女の子が首をつっている絵があったな

やっぱりこーゆう人だと確認するために
出かけたような気がします

死を想うこととはどういうことなのか
80年代、アラーキーや藤原新也たちがこぞって
タナトス、メメント・モリなど
死を積極的に取り入れるアートが流行らせていましたが
死体の絵とか写真
首をつっている女の子の絵が
ほんとに死を想うことなのか

それは、ほんとの「死」ではない

ヤキ・インディアンのシャーマン
ドンファンの言葉が響きます

でも
東京都現代美術館はすばらしいところです
広くて綺麗
平日は人も少ない
税金をこれでもかと使っております
中でも美術書専門の無料図書館がすばらしい
(観たこともないエゴン・シーレの絵を食い入るように観てしまった)

レストランもあるし、アートショップもある
東京のお勧めスポット

6月27日

一回休み

前日、内筋を鍛えようと
激しくストレッチをしたために筋肉痛で動けず
(注)ビリー・ザ・ブートキャンプをやったわけでありません、念のため)

6月28日

食器洗いが気持ちの良い季節です
水を触っていると落ち着きますね
以前にも書いたような気がしますが
水を触ると
女性性が立ち上がるそうです

優しく落ち着いた気分になれるようです

6月29日

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fred frith ,chris cutler / the stone issue TWO

収益の100パーセントをアーティストに還元する新形態のライブスペース"stone"での
ライブアルバム第二弾
盟友フレッド・フリスとクリス・カトラーとの
緊張感あふれるインプロビゼィション
フリージャズを聴いていると
人間関係とはいかにあるべきかがなんとなくわかるような気がします

なんの先入観もなく
瞬間瞬間で付き合っていくこと

夜は
版画家の大野隆司さんと岡本雄司さんの参加するグループ展のオープニングへ
うーむ、呑んでしまった・・

6月30日

昨日とはうって変わって、過ごしやすい東京

そうそう
昨日ギャラリーで知り合ったスペイン人の画家のサイトを紹介します
ALBERT VIDAL(アルベル ビダルさん)
都市を水晶のように美しく描く絵描きさん
お勧めです
トップページはスペイン語ですが、日本語でも読めます
というのも、彼女が日本人なのです
(喧嘩の時は何語でするの?とか、初対面なのに
根掘り葉掘り聞いてしまいました(笑)