かものはし日記 2011年1月号
1月1日
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします
十二六(どぶろく)というお酒を飲みました
酸味がとてもさわやか
お勧めです
2011年もあっという間に終わるのでしょうね(笑)
気をつけましょう
1月2日
初仕事
SFの古典的名作の挿絵を描きました
30年ほど前、学生時代に読んだSFです
頭の中で結末が勝手に捏造されていて
久々に読んだらぜんぜん違っていました
かわいい女の子が死んじゃう話なのですが
勝手に、身代わりでじいさんが死ぬ話にすり替えられていました(笑)
1954年に発表された
ハードSFの基本中の基本です
古典SFの名作の挿絵が描けるなんて
光栄です
1月3日
初ポタリング
いつものように下町めぐり
上野、不忍池の枯れたハス
ほっとする色ですね
間近で観てもなぜかCGっぽい
現実感のないスカイツリー
現在539メートル
どんどん禍々しくなってきましたな
(どう見ても荷電粒子ビーム砲にしか見えない)
・
中国人カップルが路上で痴話げんか
男の方が、中国語でまくしたて
最後に
「当然だろ!」って
日本語で怒鳴るところがほほえましい
1月4日
年明け締め切りの仕事をいくつか納品
今年は
描線を少し太くしようと思っています
2倍くらいね(18.3ピクセルから41ピクセルへ)
・
人間の記憶容量は
4テラバイトくらいらしいです
最新のハードディスク(3テラ)なら1台と3分の1
こうなると
この容量が多いのか少ないのかわかりませんが
僕の記憶容量は1テラもないような気がします
自転車で出かけていって
自転車で来たことを忘れ
帰りは徒歩で帰ってきちゃうくらいですから(笑)
1月5日
プリンターの接触不良を直し
年賀状のイラストも出来上がる
遅いと言えば遅いけど
許してね
1月6日
お手伝い
今日は朝から
いつもお世話になっている恵比寿のギャラリーMalleの壁のペンキ塗り
中腰の作業が
腰にガツンときます
壁に染み付いた去年一年間のさまざまな記憶を
白いペンキで塗りつぶしていく作業は
なかなか快感
やはり
人生は上書き保存ですな(笑)
作業後
自転車で帰宅
真冬の夜の自転車が一番気持ちいいかも
風は冷たくても
体は熱い
汗もそれほどかかないので
体が冷えない
夜の第二京浜道路は
道幅が広くて交通量が少なく
オレンジ色にライトアップされた優雅な曲線の東京タワーが
ビルの隙間からちらりと見えるところが
気に入っています
1月7日
経王寺のHPのリニューアルのイラストを描きました
観てね
・
englaborn / johann johannsson
ポストクラシカルというジャンルだそうです
映画音楽とクラシックの間と言うか
エレクトロニクスの使われ方も控えめで
とても静的な音楽
安っぽいヒーリング音楽になりがちなジャンルですが
そうならないのは
作者の「現在」に踏みとどまろうとする力なんだと思います
未来を安易な希望で満たさず
変えられない過去に感傷的にならず
じっと「現在」に居続ける
ちなみに
動物写真家,グレゴリー・コルベートの
日本での展覧会場のBGMに
これが使われていました
さらに
彼の別のアルバムですが
短編映画風のPVもあります
これもなかなか素敵
http://www.youtube.com/watch?v=Iv4CuIIspdE
1月8日
不忍池 弁天島
1月9日
1月10日
1月11日
「伊達直人」というネーミングにグッときたのでしょうね
あれが
バットマン(金持ちの道楽)とか
アイアンマン(金持ちで天才科学者の道楽)とか
ウルトラマン(宇宙人の道楽)じゃ
連鎖はおきない
昭和、貧乏、生身がキーワードです
日本もようやく本来の貧乏に戻ってきました
いいことです
タイガーマスクのエンディング
名曲「みなし児のバラード」のリバイバルヒットはあるかな?
1月12日
1月13日
1月14日
生活の二元論
世間では仕事をオン余暇をオフと分けて生活をしている人が
ほとんどだと思いますが
明石家さんまさんには
オンとオフがないそうです
(ラジオで、俳優の生瀬勝久さんが言ってました)
思うに
自分のしていることに、矛盾や葛藤がなければ
オンオフを切り替える必要がないということ
やりたくないことをしているから
その反動としてオフの生活が必要になるわけです
多くの人は、このオンオフの二重生活をしているわけで
この二重生活は
多分
世界にも精神にもとても破壊的であるような気がします
この世の中で
さんまさんのように生きている人がいるんだから
そういうふうに生きて行くことは可能です
1月15日
谷中で新年会
谷中庵主人さんより
棟方志功の写真集と画集をいただきました
ありがとうございました
僕はひそかに
神経質なエゴン・シーレと天真爛漫な棟方志功の間を狙っているのです(笑)
1月16日
向島で新年会
自分を猫だと思い込んでいる
「種」同一性障害?の人とか
携帯電話(サードパーティ製の巨大なバッテリーがくっついている)から
SSH(自作?)で自宅サーバーにアクセスしちゃう人とか
変なやつらばっかりでしたが(笑)
みなさんちゃんと生きてます
素敵です
1月17日
いままでいろいろ買って読み漁っていた
心理学関係の本を
まとめてブックオフへ
もうこんなもんいらん(笑)
1月18日
ポストクラシカル その2
dyad 1909 / olafur arnalds
決して青いジャケットばかり選んでいるわけではないのですが
気がつけば、またしても青いジャケット
アイスランドの若き才能 オラフル・アルナルズ
「dyad1909」というダンス作品のための音楽
美しく冷たいクラシックの旋律に
ノイジーで熱いドラムンベースが絡む
まるで火山国アイスランドの大地のような音楽です
http://www.youtube.com/watch?v=TJgb4Az0GNo
1月19日
牛込柳町で新年会&出版記念
いつもお世話になっている経王寺のご住職、互井観章さんの本がでました
今昔物語の現代解釈版 「色香」です
僕は、表紙と挿絵(オールカラー)9点ほど描かせていただきました
帯は、作家の田口ランディさんが書いております
詳しくはアマゾンで
経王寺でも購入可能です
メールにてお問い合わせください
表紙
中身
1月20日
告白
松たか子主演の話題作「告白」を観ました
半年ほど前
原作を読んだときのいやーな読後感がよみがえりました
あのいやーな小説を
こんなにもきちんと美しく作ることないじゃない
よくできすぎです
もっと脚本が破綻していて
演出もひどい
ぐたぐたな駄作であればまだ救いがあったような
この作品を生み出した作家の知性
この映画を撮った監督の知性
「復讐」とは「知性」の行き着く果てです
知性って
そんなに素敵なものじゃないのね
1月21日
賃貸契約の更新
2年に一度の更新月です
毎度のことながら
家賃1.5ヶ月分は、ドスンと身にこたえますな
2年に一度しか会わない不動産屋のおばさん(多分同い年くらい)ですが
お互いバツ一であることを告白してしまったせいか
契約更新なんて5分で終わるのに
いつも長々と話し込んでしまいます(笑)
彼女は、成人した息子さんと
(お酒を飲みつつ、一緒にサッカーを観ながら)
二人っきりで暮らしているそうですが
ちょっと離れた場所に彼氏もいて
週末だけ3人で過ごすようです
同居はしないみたい
うれしそうに話していました
関係性はいろいろです
そして
人間には関係性しかないのです
(実存なんてないよ)
双方がよけいなものを持ち込まず
(過去とか、規範とか、伝統とか、勝手な幻想とか)
つねに新しい関係性でありつづけることが
大事ですねえ
無理だけど(笑)
1月22日
逐電
「ちくてん」と読みます
「ちくでん」でも可
意味は、稲妻を追うという意から
行方をくらます事
ネットで時代劇を観ていたら
聞きなれない単語が出てきたので調べてみました
言葉にはさほど興味はないのですが
たまに惹かれる単語があります
(「驟雨」とか)
漢字の形、組み合わせ、響き、そしてイメージ
漢字は最古の
AV(オーディオ・ビジュアル)です
1月23日
お米をネットで買ってしまった
(送料コミでも近所のスーパーより安いんだもん)
こうして
街からお店がなくなって
街が壊れていくんだね
(すいません、もうしません)
1月24日
野生のトラ
かつて
整体師、野口晴哉先生は
女性を称して「野生のトラ」と言ったそうです
本日
女優である妻(エリカちゃん)が
勝手に離婚会見をしたことを
夫(高城剛)が「寝耳に水」という表現を使って
怒っていました
論理やなにやらで
(「なにやら」は、高城氏得意のプレゼン能力のこと)
女性をコントロールすることは不可能です
「野生のトラ」なんですから
「寝耳に水」って・・
野生のトラと対峙しているのに
あまりに鈍感すぎるのでは
こーゆう男は多いんだよ
甘いんだよ
俺なんか、子供の頃から知っていたよ
母親がそうだもん(笑)
1月25日
テロリズムの精神性
と
サッカーの国際大会で勝ったり負けたりを
一喜一憂する精神性は
さほど変わらない気がします
なめられちゃいかん
という自尊心
あらゆる局面でたちあがってくる
うざい感情(笑)
自尊心の目標は
誰の手も借りず
誰にも脅かされない
究極の居場所を確保すること
僕らは
自尊心という居場所の中で
それを脅かすものをいつも監視していて
自尊心が大きくなることを
幸せと感じ
小さくなっちゃうことに日々おびえています
人種的にも
宗教的にも
政治的にも
経済的にも
自分の居場所を守ること
さらに
社会でそれなり成果をあげなければ
個人的な居場所もなくなっちゃうわけです
そんなものなくても
どこにいてもいいんだよ
居場所なんかどこにでもあるのだ
ということを
みんなが認め合わない限り
テロはなくならないし
サッカーもほんとの素敵さはわからない
1月26日
テロリズムの精神性と
「トイレの神様」の精神性
「トイレにはそれはそれは綺麗な女神様がいるんやで
毎日綺麗にしたら
女神様みたいに別嬪さんになれるんやで」
だから、綺麗じゃない私は
綺麗になりたいから
トイレ掃除は嫌いだけど
しかたなくトイレ掃除をしました
こうすれば、こういういいことがあるから
こうしなさい。
というのは、大人の常套句です
そこには等価交換があるだけで
愛はありません
「どうしてだろう 人は人を傷つけ・・」
等価交換ばかりを教えた結果です
ありのままの「私」の素敵さを教えず
大人はもっと素敵になれ、と刷り込みます
他人を出し抜いても素敵になれ
そうしないと大変なことになるぞ、と恐怖心もセットで。
人と人との関係性は、そこで切れてしまいます
そういう風に育てれば
そりゃ、人が人を傷つける世界になっちゃうよね
「ちゃんと育ててもらったのに・・」
ちゃんと育ってません
もちろん、僕も含めて
1月27日
友人のパソコンを作る
友人と秋葉原で待ち合わせて
パソコンパーツを購入
家に戻って
もう一人の友人と手分けして組み立て
パーツの相性問題もなく
無事起動
静音で長く使えそうなバランスのいいパソコンが出来上がりました
むやみに速さを求めず
使う人のライフスタイルと用途にあったスペックでくみ上げる
不必要なことはしない
パソコンも人生もオーバースペックにならないよう
気をつけてます
って、部屋に自転車が4台もあるのは
明らかにオーバースペックだろう
という声がどこからか聞こえてきました(笑)
えらそうにすいません、そのとおりです・・
1月28日
優しさとは
責めないこと
褒めないこと
何がしかのものさしで人を測らない
ただじっと見つめること
今日は
自分に優しくなりたい
そんな日です(笑)
1月29日
明晰さ
「大丈夫」
という言い方は
とても心地良いが、単に自己を強化していることに過ぎない
既成の観念だけで乗り切ろうとしている
「なんとかなるさ」
は、自己を放棄しつつあるけど
なんとなく投げやり
「途方にくれる」
というのが、最近のお気に入り
あらゆる既成概念に頼らず
じっと現在を観察する
そこから発動する行為のみが新しい
12月30日
ナショナリズムなんて
まったくリアルタイムで観ていなかったサッカーアジア大会
(この時間帯は寝てます)
でしたが
VTRで観た
日本人でも韓国人でもない李忠成の
目の覚めるようなボレーシュートに
未来を感じました
いや
感じたい
12月31日
文化なんて
どの国の人たちも
孤独や悲しみや苦悩や恐怖をかかえて生きていて
そういうものに真正面から向き合わず
なんとか理由をでっちあげてそこから逃げようとする方法考えてきました
それを「文化」といいます
それぞれの文化は見た目はちょっと違うけれど
根っこは同じ
根っこが同じものなのに
文化や民族の独自性を主張し
プライドを立ち上げて壁を作ってもしょうがないと思うのです
みんな抱えている問題は一緒なんだから
みんなで取り組んでいけばいいでしょ
「世界はあなたであり、あなたは世界である」
と誰かが言っていました
そこに立てば
まったく違った文化が生まれるような気がします