かものはし日記 2011年2月号


2月1日

甲野善紀の腕をぎゅっとつかんだら
投げ飛ばされた

音楽家の友人のお誘いで
武道家 甲野善紀の音楽家のための身体操法講座に
行ってきました
(ま、絵描きでも体を使うことに変わりはないし)
たいていの人は
ブレーキをかけながらアクセルを踏むという
体の使い方をしているので
いろいろなところが詰まって動きが悪くなる
というお話と実践がとても面白かったです
「努力」という言葉も
ブレーキをかけながらアクセスを踏む行為
葛藤ばかりが増えて
何も新しいことが起こらない

日々の生活の中で
先入観を持たずに
心を静めて
あらゆることを全体的に「観る」こと
そこに新しい発見があり
それが真の瞑想であり
「生」の探求の醍醐味でもあります

と、言葉で書くと簡単だけどさ(笑)

2月2日

とある方恐るべし

夜、とある方から
パソコンの電源が切れなくて困っているの、と電話がかかってきました
「じゃあ、コンセントを引っこ抜いてください、それが一番簡単」
「大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ、一回くらい」
「コンセントがタコ足になっていてどれがどれだか・・」
「じゃあ、パソコンの本体についているコンセントを抜いて」
「どれが電源コードかわからないの」
「え?、じゃあ家電についているようなちょっと太めのやつを」
「みんな太いわ」
(そんなはずは・・)
「ぴかぴか光っているのがあるけれど、これかしら」
(いや、それはLANケーブル)
「じゃあ、パソコンの型番を教えてください
ネットで調べてどこに電源コードがつながっているか調べて指示します」
「pw−・・」
調べてみると
「え、それはプリンターです」
とある方はどれがパソコンの本体かわからないのか・・
「え、じゃあ、パソコンのスイッチはわかりますよね
毎日入れているやつです
その下にもうひとつボタンがありません?
それがリセットボタンで・・・

2月3日

節分

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浅草に用事があったので
ついでに浅草寺の節分祭を見物
(あくまで見物)
富める者がばらまく何がしかのモノを
富めないものが他人を押しのけて
奪い合うさまはとても美しい
伝統って素敵ね(笑)
そもそも幸せなんぞ求めるから
不幸になるんでしょ

後ろで、誰かが
「お相撲さんは出ないのかしら?」
と言うと
「相撲界は今ごちゃごちゃしてるから」
と、どこかのおばあちゃんが答えた

「ごちゃごちゃしてる」

今の相撲界の状況を肯定も否定もしない
なかなか微妙でいい言い回しです
思わず笑ってしまいました

2月4日

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UTAU / 大貫妙子&坂本龍一

名曲「tango」の大貫妙子ボーカルバージョンがうれしい
(教授の声もよかったけれど)
大貫さんは
もちろん歌は素敵だけれど
歌詞も素敵です

2月5日

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the big-O オリジナルサウンドトラック

横山光輝+ブレードランナーテイストの
おじさんによるおじさんのためのロボットアニメ
伏線の張りすぎで
設定、脚本は破綻気味でしたが
雰囲気重視
音楽もすばらしい
サントラと言うよりは
一枚のアルバムとして聞かせます
久しぶりに聞きましたが
(10年以上前の作品)
楽曲の良さに感激

2月6日

ベイダー卿、降臨

http://www.youtube.com/watch?v=R55e-uHQna0

なんだかんだ言っても
スターウォーズは現代の神話として根付いてます
でも
光と闇の戦いでは
解決できない何かがまだ残っているのです
光と闇に別れてしまった原因が
ジェダイにあるはず
それはなんでしょう?
そのあたりがこれからのテーマですね

2月7日

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ベティ・ラヴェット / ブリティッシュロック解釈

先日の甲野先生のワークショップに参加して思ったのですが
「老いる」というのは
二種類あるようです
過去や知識を背負いすぎて
身動きが取れなくなる場合と
老いることによって
余計な力が抜け
既成概念にとらわれなくなり
若いときより
自由に動けるようになる場合

もちろんベティ・ラヴェット(64歳)は後者です

ビートルズ、ツェッペリン、ピンクフロイドなど
ブリティッシュロックの名曲を愛情たっぷりに歌い上げていますが
なによりも
ムーディ・ブルースの「サテンの夜」が圧巻

2月8日

相撲業界も政治も自分の身の回りも
個人が自分の都合だけを優先し
誰も本当のことを言わず
でも、とりあえずもっともらしい物語は必要だから
いけにえの羊と一緒にそれを差し出す
多分
歴史と言うのは
これの繰り返し
世の中は
悪という存在が別にいて
それが悪いことをしているのではなく
一人一人の頭の中でおきている混乱が
そのまま世の中になっているだけです
みんな人のせいにしているけど
自分が悪いんです
ほんとは

「世の中が悪いのは
俺のせいです
すいません」
という人が増えればちょっとはいい感じになるかもしれないな
俺は言わないけど(笑)

2月9日

雪です
資料を探しに図書館へ
なんとなく頭の中がまとまってきました
なんとかなりそうです
友人のおかげです
(友人の一言で、ばっと扉が開きました)

何かをやろうと思うとき
いろんな偶然が
やろうと思っていることを支援してくれます
世間ではこれをシンクロニシティといって
特別な現象のように言いますけれど
経験則に従えば
ごく普通の自然現象ですね
世界はつながっているわけですから

信じられない人はこれを
名曲 ポリスの「シンクロニシティ」
懐かしい〜

2月10日

愛情表現でした・・

ニュースを眺めていると
よく出てくる言葉です
暴力の言い訳によく使われてますね
これを言うと
とりあえずその場は収まる
とても日本的な
いやな意味でのあいまいさを感じます

嫉妬と憎悪でやりました
と素直に言う方がよっぽど素敵です

2月11日

買い物の途中
マンションの階段の上から
小学3年生くらいの男の子が
{すいません〜」と
悲痛な顔をして僕を呼び止めるので
ひょっとするとおかあさんが部屋で倒れていたりして、とかいろいろ考えながら
階段を急いで駆け上がったら
「傘が壊れちゃったので、直してください
これじゃあ買い物に行けない」
と言いました
なんじゃそれは、と思いつつも
見知らぬ坊主刈りのおじさんに気軽に(気安く)話しかけるなんて
今時の子供にしては
コミュニケーション能力が高いじゃないか、と感心しました
もちろん
傘の修理もしました

2月12日

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new composers Sp.guest brian eno / smart

自由と言うのは
静寂の中にあるもので
「なんでもあり」ということではないように思います
なんでもありというのは
頭の中の混乱が表出しているだけで
そこに秩序はありません
静寂と言う秩序の中にだけ
自由や美はあるということを教えてくれた音楽家は
ブライアン・イーノだけ
(「だけ」が多い・・)

ロシアのテクノユニット「smart」にゲスト参加している
神出鬼没なイーノ先生
1999年の作品

2月13日

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高田明美さん、高田美苗さんの姉妹展
銀座プランタンへ

お二人には会えませんでしたが
展示場の係りの女性にチョコをいただきました
パッケージの絵は美苗さんの銅版画です

ここ数日は雨だったので
久々の自転車散歩
銀座は他に寄るところがないので
逃げるように帰りました(笑)

2月14日

こんなものいらん

世界の全情報を集めると
容量は295エクサバイトになるそうです
1テラバイトの1000倍が1ペタバイト
その1000倍が1エクサバイト
という単位
CDーRに焼いて積み重ねると月を通り過ぎちゃうぐらいあるそうだ
まあ、重複しているデータもありそうだから
月くらいまでかな
こんなにデータがいっぱいあっても
人類の諸問題は何も解決できません
というか
このデータが増えれば増えるほど
問題も増える
知識とはそういうものです
いっそのこと全部消去すれば?

だれかそういう機械を発明しないかな

2月15日

赤い着物を着た綺麗な女の子に
水を飲ませてもらう夢を見る
良さげな夢でしょ
水を飲んで、唇がぬれた感触まで覚えてます
ただ、問題なのは
僕も女の子だったということ
それもかなりかわいい(笑)

2月16日

中村豪志さんとはせがわゆうじさんの
二人展「星風機」を観に
自転車でギャラリーMalleへ
優しい機械ファンタジー
中村さんの世界は着々と進化していて
さらにいい感じになってました

今日は、自転車日和です
このくらいの温度がポタリングには最適
(10度前後)
運動して体は適度に熱くなるけれど
汗をかくほどではないのさ

ところで
これは本物だろうか
CGなんじゃなかろうか
カンガルーが
こんな俺みたいなことするかな?
(俺はやったことある)

http://www.youtube.com/watch?v=h1b-sgsucts&feature=youtube_gdata_player

2月17日

引き算の美学

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the return of DC / the durutti column

4曲目conductという曲の中盤
美しいギターにドラムが絡んでくるのですが
ドラムはリズムを刻まずに
フィルイン(おかず)のみ
リズムを刻まなくても
フィルインだけでリズムを想像させてしまう
引き算センスにうっとり

http://www.youtube.com/watch?v=TkXEPOAvRAE

足し算は欲望ですが
引き算は愛です

あ、この人は80年代から
ひっそりと活動しているパンクの人ですが
ギターがとても美しいのです

2月18日

外国の写真家が撮った
スローモーションな日本の風景

http://vimeo.com/7051859

何気ない日常なのに
スローで撮影されたビデオ映像で観ると
不思議に美しい
この映像を見ていたら
アンディ・ウォホールが
「私は醜い人を観た事がない、皆美しい」と言っていたのを
思い出しました
何かと比較することなく
ありのままを全体的に観ることができれば
世界はすべて美しいのでしょうね

2月19日

恐怖心

夢とか希望とか
いわゆる「光」を求めようとする気持ちの背景には
恐怖心があります
心の中が恐怖心でいっぱいだから
「光」を希求する
「光」を希求するから
恐怖心でいっぱいになる
もし
恐怖心がなくなれば「光」は求める必要はなくなります
光を求めなくてもつらつと生きていける
と整体師、野口晴哉は「雨と風」というエッセイの中で
おっしゃっておりました
「光」を求める努力は
恐怖心をエネルギーにしているので
結局は反動(葛藤)となって自分に返ってきます

日々自分の中で今起こっている恐怖心を見つめていくこと
恐怖心に対して否定も肯定もしない
多分「瞑想」というのは
こういうことだとおもいます
(思考を排除するということではなく)

毎日自分の行為を観察していると
ほとんど恐怖心からきているので
びっくりしますね
自意識って基本的に恐怖心のかたまりですから

恐怖心を絵にして
ばらまかないように
絵描きとして気をつけます(笑)

2月20日

普通の光景

http://www.youtube.com/watch?v=wr5our4ORqA&feature=player_embedded

猫「おじさん!みんなどこに行ったかわかる?」
おじさん「あっちだよ」

よくある光景です
僕も猫によく道を聞かれますね(笑)

2月21日

生活が仏師です
仏さんを彫るしか
日常生活はないのです

という仏師のインタビュー記事にぐっときました
(新宿経王寺機関紙 ハスのカホリ)

朝起きて
お茶をたてて
後は自分の気が向くままにずっと彫る
仏具屋さんにせっつかれて造るのでもなく
お客さんがいなければ
自分のものをこつこつ彫る

シンプルであることは
とても難しいことです
たいていは混乱の中で人生が終わります

混乱のない人は
理由がないので
葛藤なしに黙々と行動できるんですね
(いいな〜)

2月22日

水彩紙を買いに
世界堂へ
真っ白い紙は美しいですね
この紙に絵を描くなんて
なんというか陵辱的なことなのかも
せめて、紙への愛撫だけは丁寧に優しく(笑)

2月23日

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the king of limbs / radiohead

突然発売されたレディオヘッドの新譜
(今はダウンロード版のみ)
相変わらず時代にぴったりな喪失感とメランコリックで知的な音作り
音楽というよりは文学ですね
「いいな〜」と思ってしまう自分がいや(笑)

音楽も絵も漫画も映画も、もちろん小説も詩も
文学になっちゃいかんね

2月24日

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救助隊がいちいち政府の要請を受けて
飛行機に乗って、空港から現地へ移動、では遅すぎる
日本は災害大国ゆえに
高度な救命技術があるのだから
自衛隊と連携して
直接現地へ
いまこそリアル版国際救助隊サンダーバードを編成してください
(自衛隊なんかいらん)

これは
子供の頃、サンダーバードを観ていたおじさんたちの夢です

2月25日

人力飛行機の夢 

人力飛行機を操縦する夢を見ました
どこかの公園で人力飛行機の集いがあり
それに初参加という設定
チタンだかカーボンだかで作られた自転車型の人力飛行機は
とても軽くて美しい形状をしていました
(さっきまで覚えていたのだけど、絵に描こうと思った瞬間に忘れてしまった)
自転車のようにペダルを漕ぐとふわりと浮いて
かなりの高度まで上昇していきます
(夢だからね)
着陸も初めてなのにとてもうまくいって
(着陸シーンがとても鮮明)
事務所で名前を書いて
人力飛行機クラブの会員登録までしてきました(笑)

2月26日

Bromptonのメンテナンス講習会に参加

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スポーツサイクルは基本的に
クイックリリースといって
タイヤの取り外しがワンタッチで簡単にできるのですが
Bromptonは内装ギアゆえ若干特殊なので
パンク修理が自分でできるよう講習会に参加してきました
ネットで検索すると
後輪の取り外しは難しいと書いてあるブログを見かけますが
そんなことはなく、とても簡単にはずせます
各パーツが一方向にしかはまらないようにできているので
付け間違いもありません
良い機械はメンテナンスもしやすいようにできているんですね
さすがイギリス製
これで安心してこいつと遠出ができるようになりました

しかし
参加者の方々(Bromptonのオーナーの方々)は皆無口(笑)

自転車乗りなんて
お一人様の代表みたいなもんですから

2月27日

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つくばりんりんロード

天気にも風にも(花粉にも?)恵まれ
絶好の輪行日和
電車で土浦駅まで行って
そこからつくばりんりんロードへ
廃線となった筑波鉄道の線路跡をそのままサイクリングロードにしているので
途中、駅のプラットホームがそのまま残っています(写真右)
駅のいくつかは休憩所になっていてトイレも完備
レンコン畑あり
(土浦はレンコンが名産)
古民家あり
筑波山あり
田園風景ありと
河川敷のサイクリングロードにはない
風景の変化が楽しめます

公道を横切るとき
車がすぐに止まってくれるし
歩いている人も声をかけてくれるし
サイクリストに優しい街です

終着点は水戸線岩瀬駅ですが
ちょっと走り足りないので
上野沼まで足をのばし、そこで遅めの昼食
花粉さえ飛んでいなければ
ほんとに気持ちのいいコースです(笑)

2月28日

昨日はGPSロガーを持っていったので
(最近は、カメラに付いてます)
帰宅してから走った軌跡をグーグルアースで確認ができます
結構適当に走っていて
道を間違えても
最終的になんとなく正しい道に戻っていたりして
おいらの人生もこんな感じでなんとかなるな
と思いつつ
2月も終わりました