かものはし日記
12月号


12月1日

ちゃんと自分の中の闇を見つめている人の笑顔は
とっても素敵。
逆に光ばかりを追い求めている人の笑顔は
ちょっと怖い。

適当な野菜
たとえば、キャベツ、セロリ、人参、カリフラワーなどなどを
コンソメスープの素を入れて柔らかくなるまで煮て
ちょっと底の深い器に綺麗に並べてスープも入れて
粒入りマスタードをつけていただく。
温野菜のサラダは、寒い冬には是非おすすめ。
セロリがおいしい!

12月2日

アートギャラリィーに一点追加。
本格的な冬の訪れを絵にしてみました。
ここ数日
台風のような
夏のような雨が降り
次の日、夏のような雲
今年も暖冬かと思ったら、ちゃんと寒くなってくれました。
よかったよかった。

サッカークラブチーム世界一決定戦をみていたら
うわーやっぱりうまいや、という感じ。
でもスルーパスなら中田も負けてはいないよね。

今日の夕食は銀だらの粕漬け。

地球治療士の免許を取るために勉強中
全国を旅して地面の気脈の滞りを治療する。
筆記試験は原付免許を取るより簡単らしい。
面接試験は樹齢100年以上の木と一晩座って語り合う?
東京に住んでいる人の面接会場は
明治神宮。
・・なんていうのがあったらいいね。

12月3日

リドリースコットの1996年の作品
「白い嵐」を遅ればせながらビデオで観る。
佳作だけれどいい作品。
ブレードランナー以降あまり話題には上らないのだけれど
いい佳作をつくり続けている。
「誰かに観られている」
「テルマ&ルイーズ」
など女性映画を撮るのが上手。

寒くなってきました。
今年は生体暖房機(アナクロ)がいないので
ちょっと寒いな。

12月4日

映画「ホテルニューハンプシャー」
を衝動的に観る。
人生はおとぎ話
誰でもいいけれど誰かの人生を小説にしたら
案外リアリティなんかなくって
うそだろ?の連続かもしれない。
特に今の時代は現実の方がうそっぽい
現実の方がおとぎ話

仕事場の机の向きを変えて気分転換。

12月5日

アルゼンチン、凄く強い
クロアチア、強い
ジャマイカ、クールランニング?

プログレッシブロックが盛り上がっているのは
世界的に観て日本とアルゼンチンだけ・・という話を聞いたことがある。
国民性が似ているのだろうか。

ちょっと切ない話を聞かされて
今日は空元気で乗り切る。

12月6日

ミケランジェロ・アントニオーニ監督の
「愛のめぐり会い」をビデオで観る。
何かつまんない
観念的
(僕も観念にはしりやすいけれど・・)
ほんとに人を好きになったことがあるのかな?
ロボコップのピーターウェラーが
フランス語を話すモテモテ中年おじさんで出演(笑)
U2とブライアンイーノの音楽はとってもいい
エンディングのブルールームという曲が好き

絵を描いていてふと思う
人生に下書きというものは存在しない。
ぶっつけ本番
でもたまに下書きをしたくなるときがある。
いまはちょっと下書きをしたい気分だ。

12月8日

CD-ROM画集の予約は
なるべく書店、レコード店、パソコンショップ
でしてくださいということです。
直接バンダイビジョアルの方に
電話予約をしてくださいと書きましたが
それはうそです、いや誤りです。
どうしても近所に書店等がない場合に
限られるそうです。
すみませんでした。

以前絵を描くということは
紙が気持ちよさそうなところを筆でなでるという感じ
と書きましたが
紙のなかから出てこようとするイメージを
一生懸命筆で押さえつけるような感じ
というのもアリです。

なにかを考えるということは
「疑う」ということであり
それは「絶望」へひた走ることでもある。
人は言葉を使って思考するわけだから
言葉というものは人を絶望へ追いやるエンジンみたいなもの
この世にあるたいていのものは
言葉がなければ存在しない
言葉というエンジンをぶんぶん回して
暴走させる
「絶望」というゴールを突き抜けて見えるものは
なんでしょうか。
(「希望」ではないと思う。希望というのは絶望の手前にある)

ヒューマニズムに置き換えられない愛と勇気!

男と女が愛に堕ちるとき
男の中の女性性と女の中の男性性が惹かれあうのもアリだな
と思った。

12月9日

今日はドライカレーを作る
とあるカレー屋さんの
ドライカレーの味に何とか近づけようと
ショウガを炒めて混ぜてみたが
うまくいかず。
料理がうまくいかないのと
絵がうまくいかないのは
同じくらい落ち込む(笑)

いわゆるマニアックな音楽ばかりを聞いていた僕は
今日後藤にある告白をした。
「実は俺、B`Zって結構好きなんだ・・
なかなかロックしているし
声もイアンギラン(ディープパープル)に似ているし・・」
後藤「ワシも好きじゃ
汚い声のジョンアンダーソン(YES)っていう感じで・・」
なるほど

今月のシンラの表紙は
なんと泳いでいる猫の写真
岩合さんの写真だ。
アナクロよりはやや劣るが
なかなか美猫じゃないか。

フリージャズっていうのは
基本的にあれは音楽じゃなくて
「緊張感」
緊張感を演奏している。
心をなごませたり
リラックスするための音楽じゃあない
だから
絵を描いたり
なにかを作ろう、生みだそうとする緊張のなかに
自分の身を置きたいとき
いちばんいい「音楽」だと思う。
生演奏で
フリージャズを聴きながら
絵を描いたらほんとにいい絵が描ける気がするなあ
これは僕の夢

12月10日

ついにx-ファイル3は
終わってしまったが
731部隊の生き残りが
宇宙人の人体実験に関わっている話を飛ばしたみたい。

過去のこともそうだけれど
未来に対しても責任をとらない大人たちが京都に集まっていて
6パーセントだ7パーセントだとせこい話をやっているのを観ると
暗澹たる気分になる。

ノートン先生をCD-ROM起動して
断片化していたハードディスクを最適化する。
すかすかと虫食い状態だったハードディスクが
だんだん綺麗になっていくのをモニターするのは
それはそれはすがすがしい。
大掃除の季節になりました。
たまに仕事に息詰まると
風呂掃除をしたりして
やった仕事の成果が確実にあがるというのは
ストレス解消になります。
(仕事はそうはいかない、一週間かけた仕事がパーになることはよくある。)

12月11日

NHK教育の「さわやか3組」という番組で
担任の先生役をやっている女優さんが素敵。
ちょっと惚れた。

明日はアナクロの祥月命日なので
多摩川に散骨に行こうと思っているのだが
後藤が風邪を引いてダウンしているので
来月に延期。

またまた二階のバーちゃんが
大根の葉っぱのゴマ和えを作ってくれました。
数日前におからをもらったばっかりなのに
大根本体はそのままくれたけれど
多摩川土手に植わっているらしい野生の大根
いったいどこに植わっているのだろう。

散髪屋さんで
町の情報を仕入れる。
なるほどうちのマンションの一階のつぶれた飲み屋は
夜逃げしたのか。
なになに、料理も作らずに客とだべってばかりいた?
そりゃつぶれるな。
と、散髪屋さんにいくといろんな話を聞けるので楽しいが
あんたこの間女の子と歩いていただろ?
ほかの日は別の女の子と一緒にいたね?
人聞きの悪いことをいうな
そりゃ編集者だろ、きっと
自宅のマンションの蓮向かいの散髪屋を選んだのは誤算
俺は地域社会にとけ込むのはきらいだ。

12月13日

久しぶりに渋谷にでる。
何冊か本を買ったら福引き券を貰ったので
いそいそと福引き会場に行く。
最近はパソコンでくじをやるんですね。
なんか情緒がないなあ
お皿が一枚当たる。

CD-ROM画集のサインシートの見本がくる。
来週中までにサインを2000枚するのだ。

12月14日

最近やっと
パステルと水彩の混合技法(自己流)
に慣れてきて
次の絵本の仕事は
何とか足下に光をともしながら
歩けそうです。

月に関する本を読んでいたら
月が女性を妊娠させると信じている民族は少なくないらしい。
あながち
CD-ROM画集のポスターのエッチなイラストも
根拠がないわけではなかった。
よしよし

12月15日

海で泳いでいたら
イルカがやってきて岸まで連れていってもらう夢を見た。
なんかいい夢

多少パワフルな感じの絵も描きたいと思い
アメコミ専門店に行く
「スポーン」をとりあえず手に取ってみる。
うーむ
とりあえず買ってはみたが
どうしたものか。

12月16日

どんなに相性の悪い色同士でも
もう1色足して3色にすれば
うまく調和がとれてなんとかなるもんです。
二項対立する世界にもう一つの要素を入れてみる。
調停者役をする第三の要素
自分の中で対立する二人の自分
本来の自分と理想の自分
調停者役は必ず自分の中で出番を待っているのです。
どんな人の中にも潜んでいる彼はとても優秀です。
寛容で優しく愛情にあふれています。
ユーモアのセンスにも長けています。
本来の自分と理想の自分の戦い方の正しい方法を
その都度示唆してくれます。
決して消耗戦にはなりません。
時には休戦協定を結んでくれて
二人の自分をリラックスさせてくれるときもあります。
彼は未来にも過去にも支配されていません。
常に現在を生きています。
彼は直感力と呼ばれることがありますが
この呼び方を彼はあまり気に入ってはいないようです。
調停者
こっちがいいそうです。

なーんてこと書いていたら
玄関の扉をドンドンたたかれて
開けてみたら管理人のおじさんが
下の住人があんたのところのベランダから
洗濯機の水があふれ出して下のベランダが水浸しだと
文句を言ってきた。
あわてて洗濯機を止めて
排水溝のつまりを取り除いたが
階下のベランダは水浸しだ。
すみませーん。
でもこんな緊急事態ならば
なにも管理人を通して文句を言わずに直接言ってくれれば・・
こんなところに調停者を使わなくてもいいのに。
そんなに他人と関わりたくないのか?

12月17日

今日はデザイン会社に行って
CD-ROM画集のデラックス版の絵本の色校チェック
今までに使ったことのない「インクをよく吸う紙」を使って
印刷したのですけれど
それが大当たり!
コート紙に比べると
はるかに水彩画の感じが綺麗にでて
発色もよく感動しました。
(コート紙というのはテカテカした感じの紙)
なんか初めてだな
こんなに原画に近く色がでたのは・・
淡い感じが淡くでるんだよ!
いつもは淡いところはぶっ飛んじゃうんだけれど・・
(いつもがっかりしていたのだけれど。)
幸せ気分
みなさま是非手に取ってみてくださいね!
と宣伝。

久しぶりに長い時間電車に乗ったら
ちょっとクラッときた。

12月19日

CO-ROM画集のスペシャル版パッケージの写真ができました。
ここをクリック

友人より明太子をいただき
白いご飯でほくほく食べる。
やはり本場の明太子は
辛くてもぴりぴりこないところがすばらしい。
風味が違うね!

12月20日

町を闊歩している野良猫を観ながらふと思う。
そうか俺は今
「猫いない歴一ヶ月半」
という肩書きなんだな。

12月21日

日曜の7時半にやっている
「中華一番」はまるで格闘技のような演出の
料理アニメだが
観ていると料理について結構役に立つ情報もたくさん入っていて
楽しい。
ということで、今日はマーボー豆腐を作ったのだけれど
豆板醤を入れすぎて辛かった。

料理で思い出したけれど
親というのは本人が嫌いなものは決して作らないし
だから子供にも食べさせない。
僕は一人暮らしをして初めて
れんこんという食材があることを知って
それできんぴらを作ってみたら
それはそれはおいしくって
そのことを母親に話したら
「あんた、そんなもの好きなの?やな子ね。」
といわれたことがありました。(笑)
当然僕も椎茸というものが苦手で
料理にはほとんど使いません。
ほかのキノコで代用したりします。
よく人から椎茸をいただいたりするのですが
冷蔵庫の奥で何年もじっとしています。

12月22日

X-FILE第4シーズンの1巻目がようやく借りられた。
夜中テレビでは第1シーズンをやっていて
そのころのスカリーはまだ初々しくてとてもかわいい。
ダナ・スカリーという役どころがそうさせたのか
女優としての人気と自信がそうさせたのか
今の彼女は凄みもあってとっても凛々しい。
なんかかっこいいよね。

12月23日

今日は東京は雪が降ったらしくて
(全然気がつかなかったけれど・・)
一日ずれればホワイトクリスマスだったのにね・・
過去100年間東京でクリスマスに雪が降ったのは
2回くらいしかないそうです。

「心配」という漢字は
心を配ると書くわけですから
心配はどんどんしていいんですね。

毎日少しづつ
サインをしてますけれど
冬なので部屋を閉め切っているから
マーカーのにおいでラリッてます。
へろへろ

12月24日

再び洗濯機の排水を階下にぶちまけてしまいました。
幸いすぐに気がついて大したことにはならなかったのですが
上から下をのぞくと洗濯物が干してあったりして
今度こそ下の階の人に怒鳴り込まれると覚悟をしていたのですけれど
依然音沙汰なしで
これじゃあ、謝れないじゃないか
ちゃんと怒鳴り込んできて、すいませんと謝るのが
感情の正しい流れのような気もするのだが
こまったな。
自分から謝りに行くか・・

12月25日

友人のダンサー
高瀬多佳子さんの公演を観に行く。
音楽は高橋鮎生さん、ボーカルは元ザバダックの上野洋子さん
民族音楽を基調としたジャズロックと
ますます凄みを増した上野さんのボーカルを横軸に
神話学者ジョセフキャンベルの神話論を縦軸に
構成されていました。
世界は虚無であるということを受け入れる強さ
というか
世界を意味で構成するよりも
直感で受け入れる大切さ
というか
その中から星のような小さい光の点みたいなものが生まれてくる
そんな喜びが伝わって来たように思います。
すばらしい音楽の前で
あーやって踊りながら絵を描けたら楽しいかも・・
と思いました。

公演の後は
友人たちと台湾小皿料理を腹一杯食べて
幸せ気分。

12月27日

最近は早起きだ。
朝は6時に目が覚める。
朝は寒いけれど気持ちがいい。

12月28日

2度と観たくない映画が僕には2本あって
一本は「ロボコップ」
もう一本は「キングダム」
キングダムはツインピークス系のサイコホラーで
あまりの怖さに一週間うなされた映画でしたが
その監督ラース・フォン・トリアーの新作「奇跡の海」をビデオで観ました。
やっぱ観るんじゃなかったなー
今日もなんだかうなされそうです。
いや怖くはないのだけれど・・

12月29日

常に作品は詩のようでありたい
詩は世界を説明しないから
世界を解説しないから

換気扇の掃除をする。
べっとりの油が専用の洗剤で溶けていく様はなかなか楽しいが
ちょっと怖い。
ちょっと強力すぎるんでないかい。

大掃除で筋肉痛。
手がふるえて絵が描けない。
でも普段使われない筋肉を使うことはいいことだ。
ただでさえ、絵描きなんて使う筋肉限定されているんだからね。
明日もがんばる。
がんばった後は「踊る大捜査線」を観る。
楽しみ

12月30日

ビデオで「シャイン」を観る。
天才ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットの半生
ピアノに愛撫をするような
音楽と、世界とセックスをするような映像がなかなか官能的
主人公が風呂場で水と戯れているシーンが何度かでてくる。
水と音楽
何か象徴的だ。

大掃除は続く
と、離島の友人よりCPUボードを秋葉原で買ってきてくれとTELあり
何でも今12万円するボードが7万円で買えるそうだ。
どっかのショップがつぶれたらしくて
それの流れものらしい。
マックは大丈夫だろうか?
とりあえず秋葉原へ
東京は人が減ってすいているけれど
秋葉原だけはすごい人だ。
怪しい店でボードを買う。
こーゆう怪しい店があるから
秋葉原はおもしろい。





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