かものはし日記 2014年2月号


2月1日

一見混沌に見えるけど

ノロウイルスはあっという間に去って行きました
ちょっと体が軽くなって気分が良いです
ただ寝過ぎで腰が痛い・・
インフルエンザもそうですが
人間の視点では
彼らは病原菌というレッテルを貼られて
無作為に人々に感染して各方面で迷惑をかけているように見えますが
ウイルス自体は善でもなければ悪でもなく
多分われわれには計り知れない自然界での役割があって
自然界の秩序と調和のために動いているような気がします
宇宙というのはコスモス(秩序)という意味です
一見混沌にみえるけれど
ほんとは違うのかもなあ

ふと
世界を詩人のように解釈した科学者
ライアル・ワトソンの本を読み返したくなりましたが
もう売っちゃったか

2月2日

という名前の猫が実在するそうです
づらっぽい頭の模様が素敵

2月3日

またオリンピックか

学生時代って体育系の部活をしてないと肩身が狭いでしょ
「スポーツは正しい」
という思想がどうにも気に入らない

2月4日

東京は雪です
すぐに止んでしまいましたが
ちょっとうれしい

2月5日

図書館で
「みさおとふくまる」を見つけて
ペラペラめくっていたら泣きそうになってしまったので
借りてきて家で泣くことにする
続編です

ネットでも観られます

2月6日

悪の法則 (コーマック・マッカーシー著)を読む

アメリカ文学の巨匠なのに
映画のオリジナル脚本を自発的に書いて
プロデューサーに持ち込み
3週間後
監督リドリー・スコットで映画化決定
というすごい流れ
(映画は去年公開されました)

というわけで小説ではなく脚本です
(ほぼセリフだけですから絵の具を乾かしている間に読めます)

「きみのあそこはキリスト教世界でいちばんみだら」

「真実に温度なんてない」

「誰かを知っているというのは
その誰かが何を欲しがっているかを知っているということ」

「友達っていうのが自分のために進んで死んでくれる人間のことなら
あんたに友達はいない」

「世界そのものが苦しみの源なら
その世界のどんな小さな部分に対しても復讐する自由があるわ」

などなど
作者のあふれる知性とセンス満載のセリフ群に圧倒されますが
知性って邪悪です
この本を読んでそう確信しました
「みさおとふくまる」とはえらい違いだ(笑)
(この作者はコーエン兄弟の「ノーカントリー」の原作も書いているひどい人)
春頃DVDが出るようです
どういうふうに映像化されているのか
ちょっと興味があります

2月7日

復讐と幸せ

「世界そのものが苦しみの源なら
その世界のどんな小さな部分に対しても復讐する自由がある」というのが
「悪の法則」のテーマなのだと思います
ならば
この作者は小説家としての名声を得ることで
自尊心が満たされ
世界への復讐を果たしたことになります
幸せになるというのは
結局世界へ復讐をするということかもしれません
自尊心を満たすという行為は復讐と同じことです

生まれて半世紀ほど経ちましたが
この世界は素敵なんだよと教えてくれた人はほとんどいなくて
この世界はお前に苦しみを与えてきたのだから
いつか世界に復讐しろ
と、いわれ続けてきたような気がします

世の中ではそれを夢とか希望とかモチベーションって言うんです、多分

2月8日

わーい雪だ!

と散歩に出かけたら
ものすごい暴風雪で遭難しかけました
偶然山小屋(コンビニ)を見つけて避難
これまた偶然山小屋に月刊少年マガジンの最新刊があったので
進撃の巨人の最新話を立ち読み
最近はアクションよりセリフ重視で読み応えがあります

2月9日

都知事選

世界を2つに分けようという
人気者の二人のおじさんの目論見はうまく行かなかったようです
もう2元論は流行らないのかも
ハリウッドの映画ですらそういう傾向にありますしね
永遠の味方も永遠の敵もいない
世界が無常であることが唯一の救いです
そういう立ち位置で政治ができる人がそのうち出てくるかもしれません

2月10日

描いてあるものが軽くても
重い絵っていうのはあるし
描いてあるものが重くても
軽やかな絵というのもある
なるべくならなんでも軽やかに描きたいです
苦労が身についていない絵っていうか(笑)
どんな経験も身にならなかったというか
そういう絵が人生の終盤にかけたなら
僕の人生は成功としたい

2月11日

悲しいOS

人間は他者の人間性を否定する生物である。
これは人間が持つ本質の一部である
人は他者の人間性を否定することが、自分を守ることにつながると信じているから
そして
他人を否定する行為は、言語が生み出した最も悪い副産物のひとつ
という
認知神経科学者ヴィットレオ・ガレッセさんの学説をネットで見つけました
なるほどそのとおりですが
他者の否定が人間の持つ「本質」というところはちょっと納得できません
言葉そのものが人の本質をゆがめているような気がします
(本質は人間だって自然のものなんだから素敵なはず)
思考が言葉によって生み出され
それを自分だと勘違いしているだけです
言葉によって生み出された自意識は
他者を否定することでしか動作しない
悲しいOSなのかも

言葉というOSとどう向き合うのかというのが
人類最大の課題だと思います

2月12日

冬のキャベツは千切りにすると
針金のように硬くて
喉に引っかかってむせたりするのですが
(歳のせい?)
ようやく柔らかい春キャベツがでまわるようになり
ちょっと春を感じました

2月13日

小食な女性

イルカが一日で食べる量で
サメは一週間食いつなげます
サメは実は小食なのです、というかイルカが食い過ぎ

2月14日

わあ、また 雪か・・

雪がやんでも積もった雪はしばらく路肩にたまっているので
唯一路肩しか走る場所のない自転車は最近なかなか出番がありません
お絵かきとLinuxと自転車しか楽しみのないわたくしにとっては
由々しき問題です(笑)

最近のlinuxな悩み

1.うちのキャノンのスキャナーは
どうもLinuxではうごかないらしい
(エプソンは対応しているみたいね)

2.bluetoothのキーボードが油断すると
繋がらなくなる
(このマイクロソフト製のbluetoothキーボードはなんとウインドウズでは認識しなくて
Linuxではそこそこ動く)

2月15日

猫のいるモノガタリ展@恵比寿 ギャラリーMalle

グループ展なのにメンバー全員顔見知りというのはめずらしい
みなさん、着々と進化してますな
自分らしさの増幅具合が気持ちいいです
このまま周りを気にせず不謹慎につっぱしってください

他人の人物画は首周りが気になります
首って難しいというか、未だにどういうふうに付いているかよくわからない
うまくごまかすのもセンス
きっちり自分なりの解釈で描くのもセンス
適当に描くとすべてが台無しになりやすい
まさしくネックな場所です

2月16日

ドリーム・ハウス

ダニエル・クレイグ主演、その奥様のレイチェル・ワイズが
奥さんの役で出演という結婚記念映画?です
引っ越してきた家に悪霊が棲んでいるみたいなホラーだと思って敬遠していたのですが
意外や切ないいいお話でした
1時間半ほどの良作小品です

2月17日

人形作家の村井夫婦(ユニバーサル・プーヤン)に
グループ展に誘っていただいたので
じゃあ打ち合せをしようということで昼呑み@上野アメ横 浜ちゃん

3月19日?3月25日
丸善丸の内本店ギャラリーにて
avant galz展に参加します
よろしければ是非
基本的に人形などの立体物がメインです
多分僕だけ平面で参加
くわしくはここ

村井くんがよっぱらってタブレットで描いた絵

彼とは30年ほど前
バンダイのデザイン事務所で一緒に働いていた仲です
まったく記憶にない若い頃の僕の悪行を聞かされ
おれってほんとに非道いやつだ、と反省するふりをして
実はうっとりしてました(笑)

2月18日

風邪かな、のどがちょっと痛いので
首周りをいたわる絵を描いてみる

2月19日

やばい背中が寒い
明日ライブに行くのに・・

2月20日

Splashgirl @新宿ピットイン

風邪でふらふらしていましたが
やっぱり聞きたかったので行ってきました

ノルウェーのエレクトロニクスを導入した
新解釈のピアノトリオです
情緒的な旋律が多々あってとてもロマンチックですが
でも決して情緒に流されない
静寂がうねりになって押し寄せてくる

日本ではほとんど知られていないバンドなので
お客さんが来るのか心配でしたが
そこそこ人も集まってよかったです
北欧系音楽の情報サイトはここです
「ただならぬ音楽三昧」
いつもお世話になってます

いい音楽を聞いたせいかいい感じで熱も出てきたので
コンビニでアルコール消毒用のお酒を買って帰宅

2月21日

文学ってこれだから嫌い

映画「悪の法則」で脚本を書いたコーマック・マッカーシーの小説
「越境」は、少年が野生の狼と一緒に国境を超えるという
とても素敵そうな話なのでちょっと読んでみました
少年と野生の狼の交流シーンが重厚な筆致で描かれ
いいぞいいぞと思って読んでいたら
最初の3分の1ぐらいで狼が殺されてしまいがっかり
続きを読む気力が失せてます

抑圧からの開放に「死」を使うのは物語のひとつの基本だから
しょうがないけど動物は殺さないでほしい

2月22日

資金面で苦労したりして12年ぶりにオリンピックに参加したけど最下位だった
ジャマイカのボブスレーの選手が
「いろいろなことがあったが人生に楽しくないことなんてないさ」
と陽気に発言している記事を読みました
サッカーのワールドカップで負けた時も誰かが似たような発言をしてましたが
「人生は苦痛」という前提で生きている我々と違って
ジャマイカの人たちの前提は、「人生は楽しい」のです
こういう人たちは
自分も他人も傷つけません
「人生は楽しい」は平和への第一歩です

2月23日

パワードスーツ再考

トム・クルーズ主演でパワードスーツが出てくるSF戦争映画が
今年公開されるようです
かっこいいけど兵器はもういい、見飽きた
魅力的なガジェットなのでもうちょっと別な使い方で
SFな世界を広げられないものかな
もちろん介護用などのスーツがそろそろ実用化されつつありますが
ファッションとかアートパフォーマンスとか
実用的じゃない感じね

パーティドレスとしてのパワードスーツ

2月24日

猫侍

レンタル屋さんで見つけて
借りてみましたが
脚本がちょっとふざけすぎです
時代劇ですから抑えるべきところは抑えないと
せっかくの美猫「玉之丞」ちゃんが生きない
いや、脚本なんてどうでもよくて
ただ猫がかわいいというだけで観るのもありかな
今週末映画も公開されるんですね

2月25日

暖かいです

上野に絵筆などを買いに行ったりして
久々に自転車に乗りました
夕食は
菜の花の胡麻和えを作ってみたりして
なんだか春っぽくなってきましたね
今年は花粉も少ないそうで
いい感じです

2月26日

ネットで科学記事を読んでいたら
実はわれわれはブラックホールの中に住んでいるという記事を見つけて驚く
被害者だと思っていたら実は犯人とか
霊が見えて怖いと思っていたら実は自分が霊だったとか
科学の仮説も最近じゃ
映画の脚本ぽくなってきましたな
いろいろ奇をてらって人の気を引かないと生きていけないのは
どの業界も同じですが
ホーキング博士は
光が無限に抜け出せないという領域があるという意味でのブラックホールは存在しないと
おっしゃっているそうな
みなさんいろいろ大変です
(俺も今日は女の子が可愛くかけなくて大変だったよ(笑)

2月27日

馴染みの編集さんとミステリ小説の表紙の打ち合わせ
どのくらい馴染みかというと
ほぼ四半世紀の付き合い
そういえばはじめての打ち合わせの時タンクトップだったよね
どちらかというと作家や絵かきよりずっと
キャラは立っているよね、あなたは。

光陰矢のごとしどころではなく
時はあっという間に過ぎる
人生になすべきことなど何もないです
楽しくこの一瞬を感じましょう

2月28日

理想の我が家