かものはし日記 2014年 3月号


3月1日

角打ち、初体験
角打ちっていうのは
酒屋の隅っこで立ってお酒を飲むこと
おつまみはお店で売ってる缶詰だったり柿ピーだったり
お酒が定価で呑めるのがいいようですね
じゃあ、買って家で呑めよっていう話ですけれど
お店のご主人やらほかのお客さんやらとお話するのがいいわけです
人は衣食住のほかに「会話」がないと生きていけない生き物ですから

江戸時代からあるSNSです
僕が行った酒屋さんはここ

3月2日

フリージャズのジャケットのような写真ですが
僕の仕事机です
かれこれ30年ほど使ってますが
もともと建築科の後藤の製図台をもらったんだか、奪ったんだか(笑)
最近はリキテックスの絵の具を使うようになって
さらにいい感じになってきました

3月3日

psychomagia /john zorn

相変わらず多作なジョン・ゾーンさん
今回も作曲のみで演奏はabraxas
ウエスタンで中近東な
ジョン・ゾーン節満載のジャズロック
タランティーノの映画に合いそう
軽快で仕事のBGM向き、お勧めです

3月4日

才能のある人は仕事が早い、とは
よく聞く話ですが
仕事が早いというのは
ほどんど思考していないということです
思考が時間を発生させます
恐怖心や自尊心が思考を発生させ
その思考が恐怖心を乗り越えるのにものすごく時間がかかるわけです
(それを葛藤と言います、もしくは勇気)
かつての日本のストライカーは
よくゴール前でこの状態になっていました
考えちゃうのでワンテンポ動作が遅れます
無駄なプロセスです

何も考えなくても多分大丈夫
思考より行動の方がはるかに正しい、と思います

3月5日

brian enoが楽曲で、underworldのkarl hydeが歌う
コラボアルバム「someday world」が出るそうです
一曲公開されてます
いい感じのポップス
karl hydeの声がいいですね
何度もリピートして聴いてしまいました

edgelandという去年出た彼のソロアルバムも
とても優雅で素敵です

3月6日

今日は風が強くて寒い・・

女の子を描いている時
「君はかわいいよ〜」って言いながら描いている俺って
あぶないだろうか
複数枚描いている時は
各々の女の子にまんべんなく愛を注がなくてはいけないので
気を使います(笑)

3月7日

先日仏像をたくさん描くお仕事を納品しましたが
こういうのもアリだったかな、とふと思いました

世間に復讐したかった
と彼は言いました
われわれは被害者の親から生まれ
被害者として育てられます
被害者はいつか世間に復讐しなければいけません
殺人はまったくお勧めできない復讐方法です
富と名声を得ることが
多分世間に対するいちばん由緒正しい復讐方法でしょう
傷つけられた自尊心を
いつかどこかで癒やしたいと被害者は思っています
この人類が抱え込んだ復讐の無限ループは
いったいいつ終わらせられるんでしょうか

3月8日

絵描きのためのLinux Mint 覚書

xpのサポート終了まであと一ヶ月ほど
絵描きの友人がxpからlinuxに移行したいのだけれど
絵師御用達のペイントツールSaiは動くの?と聞かれたので
検証してみました
linuxにはwineというウインドウズのエミュレーターがあって
ウインドウズのアプリケーションは皆wine上で動かします
(まあ、なんでも動くわけではありません)
以下は手順
うちの環境は、linux mint16 cinnamon 64bit版です

wine1.4.1をインストール
sai1.0.1をwine上にインストール
これだけで動きますけれど
筆圧検知ができないのでwineにコンパイル済みのバイナリーとパッチを当てます
コンパイル済みのバイナリーとパッチは
ここからダウンロード
zipファイルなので解凍すると
winex11.drv.soとwintab32.dll.soが出てきます
この2つを
/usr/lib/i386-linux-gnu/wineのフォルダーにroot権限で上書きしてください
次に
saiのフォルダの中にあるmisc.iniというテキストファイルを開いて
TabletMouseSimulation = 0
の部分の0を1に書き換えて保存
これでsaiを起動すれば
筆圧検知が効くようになります

タブレットのテールスイッチの消しゴム機能は使えませんが
まあこれは問題ないでしょう
wine1.5.13からは筆圧検知が効かなくなっているようです
saiの最新版(ベータ版)もダメでした
この辺のバージョンが微妙ですが
こういうところがlinuxは愛おしいんですね(笑)

角打ち体験その2

今回は近所です、歩いて5分
鈴木酒店
ここはちゃんとカウンターも有り
椅子もあります(椅子の場合は席料300円)
女性一人でも来られるくらいおしゃれ

神奈川のお酒、いずみ橋を頂きました
とてもおいしい
どの県にも地酒があるのは
日本は本当に水が豊かだからなんだよなあ
ってしみじみ

3月9日

ラフの承認待ちなので
確定申告をやったり
VirtualBoxをインストールしてみたり

仮想マシンなんてもっさりして不具合多くて使い物にならないだろうと思って
敬遠していたのですが、使ってみれば
LinuxMint16上でwindowsXPがさくさく動くのでびっくり
なつかしいxpの起動画面に感涙

ためしにphotoshopとillustrator cs3をインストールしてみたら
完璧に動きました
これでLinux上でもイラストレータで原稿が作れて
印刷所に入稿できるようになります
Wineより動作が安定しているので
xpのソフトウエア資産も生かせます
サポートが切れたxpでも仮想マシン上なので安全ということだそうです
すごいねえ

VirtualBoxのインストールと設定はここがわかりやすい

3月10日

サポートの切れたXPのディスクは
捨てなくてもいいかも

USBの認識に手間取りましたが
ワコムの液晶タブレットも認識して
VirtualBox上のXPで絵が描けるようになりました
もちろん筆圧もばっちりです
古いスキャナも xpならちゃんと使えるし
いろいろ捨てなくてよかった
これでLinuxMint16ですべてができるようになりました

いや〜VirtualBoxはハマります
楽しい

3月11日

絵描きのためのLinuxMint16 覚書
その2 VirtualBoxのUSB設定

VirtualBoxのインストールと設定をていねいに扱ったサイトは
たくさんありますが
USBの認識だけうまくいかず
英語のサイトを解読したりして結構大変だったので
その苦労話を以下に記します

ゲストOS(XP)のUSBデバイスの認識方法

すでにゲストOS(XP)はVirtualBoxにインストールされているものとして

Virtualboxのマネージャーの設定画面で
USBを選択すると
ウインドウが出てきて
右端の上から二番目のUSBプラグに+が描いてあるアイコンをクリックしても
何もデバイス名が出てこなくてとても途方に暮れた時
とりあえずがっかりしながらVirtualBoxを終了させる

1.ホストOS(LinuxMint16)のメニューから
設定→システム設定→ユーザーとグループの管理まで行って
ユーザー名を選択(うちはryoyu)
そして
ウインドウの右下あたりの「グループ」をクリック
そうすると
ウインドウが出てきてずらっとユーザーグループが出てくるので
vboxusersにチェックを入れて閉じる

2.ホストOS(LinuxMint16)を再起動して今の変更を認識させる

これでVirtualBoxを起動させて
USBの設定画面に行くと
ちゃんとデバイス名が出てきます
ワコムのタブレットもあるはずですから
それを選択してゲストOS(XP)を立ち上げて
XP上で通常通りワコムのドライバーやSAIとかペインターとかPhotoshopなどをインストールすれば
筆圧検知、消しゴム機能などもちゃんと使えます

お試しください

3月12日

VirtualBoxに
Peppermint Linuxを入れてみる

Peppermint Linux (ここからOSのイメージファイルをダウンロード)はLinux Mintの軽量版です
ゆえにubuntuベースですので
Virtualboxにインストールする時はubuntuを選択してください
(VirtualBoxのすごいところは
ダウンロードしたOSのイメージファイルをDVDなどに焼かずにファイルのままインストールできるとこ)
イン ストール時に日本語を選択して
インストール後起動させたら
menu→設定→言語サポートに行くと
日本語環境をインストールしてくれます
その後、言語サポートウインドウの一番下
「 キーボード入力を使うIMシステム」のところでIBUSを選択すれば
ちゃんと日本語入力ができるようになります
(これが一番大事)
google chromeが標準搭載されていて
グーグルのアプリを使うクラウドOSが基本的な使い方のようですが
ローカルでもアプリケーションをインストールできる二刀流 です
これも素敵

ちなみにワコムのタブレットは最初から認識します
メニューにPixirというwebアプリがあって絵もかけます
ローカルにmypaintなどのアプリもインストール出来ました

3月13日

なんとか細胞はもういい

自分をアピールしないと生きていけないのは
どの業界でも同じですし
この世界はアピールこそ命
もう目立つためにはなんでもしちゃう
つらいねえ
他人に存在を認めてもらわないと自分が存在できないっていう世界は
健全なんでしょうか
アピールしなくても楽しく生きるっていう選択も
できるんじゃないかなあ

って、アピールしてみました(笑)

3月14日

ロマンシング佐賀@六本木ヒルズ

イラストレーター小林智美さんのロマンシングサガの原画展です
佐賀県の物産とのコラボだそうです

相変わらずの美しいラインと色にうっとり
合わない色はないというのが持論なんですけど
合わない色を合わせるには色の面積比のコントロールが大事だと思うのです
小林さんの面積比センスはすごいです

やはり原画というかアナログはいいですね
水彩紙がでこぼこしていて
小林さんも水張りが嫌いなのね
とにやりとしてしまいました
(僕も嫌いです)

小林さんが絵付けした有田焼のお皿もあります
16日までです、是非

3月15日

二重課題干渉

京都大学でも
人間は複数のことを同時にできない
コンピュータのようにマルチタスクじゃない
という研究結果が出たそうです
二重課題干渉という
違うことを同時にやろうとするとうまくいかないことを
猿の脳に電極を差し込んで神経活動を測定して証明したそうです
能力を最大限に発揮したいなら
「今」やるべきことひとつに集中したほうがいいそうです
とはいえ
こんなことは
猿に非道いことをしなくても
経験でなんとなくわかるような気がしますけどね

3月16日

暖かくなってきました
季節の変わり目は
寒いんだか、暑いんだか
体がどう対処していいか困っている感じです
歳のせいか花粉にあまり反応しなくなりましたが
今日は ちょっときました

virtualboxと双璧をなすVMware playerも試してみました
こっちもいい感じ
USBデバイスの確実感はこっちの方があるかな
virtualboxはワコムの液晶タブレットのポインタが見えないのだけれど
VMwareは ちゃんと見える
(もちろん両方共確実に動きます)
ゲストOS(xp)の起動は遅いです
ファイルの保存もちょっと遅い
まあマシンとOSの相性と好みの問題です
(VMの方がなんとなくおしゃれ)

KVMとか仮想化技術って調べると結構面白いです

3月17日

明後日よりお誘いいただいたグループ展が始まります
AVANT・GALZ展

人形中心です
(僕だけイラスト)
とてもユニークな作品が集まっています
是非いらしてくださいませ

3月19日〜25日
9:00〜21:00(最終日は16:00まで)
丸善・丸の内本店4FギャラリーA

3月18日

不器用ですから

人はたいてい
頭の中にvirtualboxがあってたくさんのOSが入っていて
◯◯さん用OS
✕✕さん用OS
母親用OS SP3
父親用OS
など、ひとりに対して一個のOSを起動させ
それぞれに対して仮想の自分を器用に演じているわけですが
ACミランのホンダさんのように
他人を意識してvirtualboxを立ち上げない
というか
virtualboxが多分ない(あってもマスコミ用のOS一個)
なので
何を言われようが気にしない

そういう人もたまにいます
今後の彼の活躍が楽しみになってきました

ようするに不器用な人なのですが
そういう人ってぶれないのよね

春一番が吹き荒れる中、グループ展の搬入です
なかなかユニークな人形たちがずらりと並んでいました
立体っていいなあ
って思います

僕の作品は既存のイラスト2点と豆本ですが
明日からです、よろしければ是非!

3月19日

本日より
東京駅の丸善4階のギャラリーで
AVANT・GALZ展が始まります
禍々しいメカと融合系生物から
かわいい花粉の妖精まで・・
花粉シーズンまっただ中で
花粉の妖精を展示しちゃうってすごいな
アヴァンギャルドです

3月20日

未来の電信柱

未来にもきっと電信柱はあるでしょう

年金の不正受給の時もそうでしたが
今度はあいつの論文もこいつの論文もコピペ騒動です
僕も含めてみんなささやかな自己を守るために
嘘をつき続けて生きているわけです
嘘が大きいと騒動になりますが
まあ嘘の大小を論じてもしょうがないです
このまま嘘をつき続けて
バレるのを怯えながら生きていくか
もう自己を守るのはやめて
気楽に生きていくか
人類は今ターニングポイントに差し掛かっているのです
(巨大主語を使って話をおおげさにしております)

3月21日

角打ち体験その3

今回も比較的ご近所の森田屋酒店
ここのご主人は自転車好きで
天井にたくさんの自転車が吊るされています
工具類もすごい
自分でパーツを作っちゃうそうです

使い込まれた美しいランドナーを眺めながら呑むお酒は格別
お客さんも自転車好きが多くて
SPDシューズを履いている方やリカンベントに乗っている人がいたりして
自転車話で盛り上がりました

3月22日

昨日はちょっと呑みすぎて
今日はお腹が痛いです

自転車友人のYさんが所沢から自転車で
アヴァンギャルズ展にきてくれました、ありがとう〜
片道30キロほどだそうです
今年の冬は寒くてほとんど自転車に乗っていなかったので
そろそろ遠出をしたくなってきました

3月23日

今日はドツボにはまってしまった感じです

3月24日

抱擁

本日頂いたお仕事(短編小説の挿絵)のゲラを読んでいたら
この作家さんなかなか素敵だなあ、と思いました
ヨーロッパ映画のような
編集者さんが言うにはフィルム・ノワールのような
もちろん世界観がそうなのだけれど
それより文体が映画です。
梓崎優さんという作家さん
まだお若いそうで
楽しみです

3月25日

AvantGalz展終わりました
いらしてくださった皆様ありがとうございました
立体っていいなあ
ちょっとうらやましかったです

立体はコラボ作家が多いみたい
確かに立体はいろいろ作らないといけないので大変です
夫婦コラボの方が何組かいらっしゃいました
ロシアの作家さんは双子の姉妹コラボ
親子コラボもいらっしゃいましたが
ちょっとありえないな(笑)

季節の変わり目というか
体が春モードに移行中というか
ちょっと腰が痛い

3月26日

血液の流れる髪

科学が解決できない24の難問というブログを読んでいたら
「なぜ音楽というのもが人類の間で発達したのか」
という問いかけがあって
そんなものまで科学は解決しなけりゃいかんのか

ほんとうに高度に成熟している文明って
「なぜ?」って問わないのでは?
すべてをそのまま受け入れるのでは?
と、問いかけてみました(笑)

3月27日

女の子とロボット

胴体はフレームだけ
豆本向きのネタかな

3月28日

雨花

スワンズというバンドの「the seer」というアルバムが
最近のお気に入りなのですが
ジャケットが気持ち悪いので載せません
エクスペリメンタル・パンクという
聞いたことのないカテゴリに入れられていますが
明らかにプログレです
初期のピンクフロイドがそのままメジャーにならず
アンダーグラウンドで活動していたらこんな感じの音かも
おどろおどろしいんだけど
けっこうグッとくるんですね

3月29日

バラと読書

ヴァーチャルマシンは楽しすぎ

virtualboxはシームレスモードにすると
一つのデスクトップ画面で
mint linux(ホストOS)とxp(ゲストOS)のメニューバーが2列になって
まるでひとつのOSのように
それぞれのアプリを同時に立ち上げることができます
その光景にはうっとりを通り越して
驚愕!
VMWareにもユニティという似たような機能がありますが
うちの環境だとエラーになっちゃう
ただこっちの方がUSBデバイスの接続具合がよろしい
特に液晶タブレット

どっちがいいのか迷いますが
とりあえず楽しいので両方使います
今月はvirtual machineブームだったなあ

vmware ESXの構築もしてみたい

3月30日

メモリの開放

アンドロイドOSにはそういうアプリがあります
メモリがいっぱいになると動作が鈍くなる
人間もメモリの開放というか
日々の悩みの開放
先入観の開放
などをした方がいいかもしれません
人のメンタルなあり方を
無意識にOSは模倣してますよね
生き方の参考になります(笑)

linuxやosxはデフラグをしなくていいそうですが
ウインドウズはしなくちゃいけません
それは
ファイルの整理の仕方がずぼらだからだそうです
ファイルシステムのあり方が
作った人の性格を反映しているようです
こういうのも面白い

3月31日

僕はどうやら
眉間のあたりに開放されていないメモリがあるようです