かものはし日記2月号


2月1日

世界は洞察と説明と過剰な愛情にあまりにあふれていて
少々うっとうしいのかもしれない。
たまには未知に触れてみる。
洞察も説明もない未知の世界
静寂
流動する未知の世界
その中で自分の居場所を探してみる
バランスポイント
多すぎる愛と少なすぎる愛はもはや愛ではなく
愛は量ではなく場所であって
あるバランスポイントのみに存在する。

最近は夢をよく見る
全く見ないと期間と見る期間が結構はっきりしていて
それには周期があるのか
そうではなく、ただ日常の生活が影響するのか
その辺がちょっとわからない

2月2日

友人が中国へ留学するというので
ささやかな送別会をやる。
北京の冬は寒いらしい。

2月4日

イギリスで大川興業らしき人たちと
サッカーネタのコントをやる夢を見る。
全然受けずに
だから日本人はサッカーが下手なんだとめちゃめちゃ言われる。

2月5日

アートギャラリーに一点追加。

仕事場では
仕事を始める前に
よく昨日見た夢の話をすることが多い。
とりたてて夢分析っぽいことはせず
というか、めちゃめちゃな分析をしてけなし合う。(ひどい奴ら)
おもしろい夢は仕事のネタにする。(めったにないけれど・・)
夢分析というのはあんまり好きじゃない
なんか天気予報みたいで(笑)
所詮は結果論
(某気象予報士はテレビで堂々と天気予報は結果論だといっていた。おいおい)
夢は夢のままでいい、とも思う。
そうそう
ヤキインディアンの呪術師は夢をコントロールする訓練をする。
夢の中で自分の手のひらを見つけられるように訓練する。
これは夢であると自覚するためだ。
自覚することによって夢をコントロールすることができるそうだ。
僕でも夢の中でこれは夢だと自覚できることがある。
夢の中で窮地に立たされたとき
殺されそうになったとき
ちょっと目覚めて体制を立て直し、また夢の中で再び戦う、
ということをたまにやる。

2月9日

昔から思っているのだが
2月はいらない!
28日しかないし
寒いし
何となく陰気くさいし
日にちを他の月に振り分けて
ひと月を35日くらいにして
一年を11ヶ月にしたらどうだ。
一ヶ月が35日もあるとちょっとゆったりした気分になれるぞ
月刊誌の編集者はちょっと楽になるぞ!
みんな辛そうだもん
(いや、ひと月が長くなった分、一ヶ月に二冊出すかもしれない・・)

2月10日

考えてみれば
めがねを外すのは泳ぐときと眠るとき
泳ぐことと眠ることは似ているのかもしれない。
夢というのは無意識の海だし
夢の映像は何となく水のように揺らいでいる。
目は光を見つめるためにあるのではなく
闇を見つめるためにあるような
透明度の高い闇
透き通るような黒

朝起きたら
何か外が白いと思っていたら
少し雪が積もっていました。
今日は大阪の友人が送ってくれた
豚まんを食べようと心に誓いました。

2月11日

夕食は豚まんとかた焼きそばというちょっと変則技
ぶたまんおいしかったー
大阪はいいなー
安くておいしいものがいっぱいあって・・

関西弁は好きです。
以前仕事をしたデザイナーの方が多分京都の人らしくて
「綺麗やわー」って
絵をほめられたときはとても嬉しかった。
情報よりむしろ感情を込めやすい言語形態ですよね。

2月12日

プログレッシブロックファンの友人と久々に
プログレ話をするが、
なかなか固有名詞(バンド名とか・・)を思い出せず
すらすら話ができなくて悲しい・・
最近はあんまし興味のわく音楽がないなー
何気なくJ-WAVEとかを聞いているのだけれど
ドラムンベースってなんなんだろう?
多分テクノのジャンル名なんだろうけれど
これが楽器の名前だったらすごくかっこいいと思う。
それから
未だに女性ナヴィゲーターが全員キャロル久末に聞こえる。
(声の区別が付かない・・)
でもキャロルさんっていつも元気いっぱいで好きです。
元気をみんなにあげられる人って
素敵です。
ポイントは笑顔と声かな?
(たまに人の元気を取る奴いるよね・・)

2月14日

4月のような陽気で
思わず布団を干してしまい
取り込んだ布団にくるまっていたら
気持ちよくってまた寝てしまった。

2月15日

昨日が春だと思ったら、今日は雪だ!
これもエルニーニョのせいか?
気象予報士が異常気象をなんでもかんでもエルニーニョのせいにするのは
霊能力者が悪いことをなんでもかんでも霊のせいにするのに似ている。
似てないか・・
聞いた話だけれど
登校拒否をしている子供を持つ母親が
霊能力者のところに行って見てもらったら
霊能力者のおばさんに
あんたの息子が学校に行かないのは悪霊のせいでも何でもなくて
あんたの育て方が悪いからだと説教されて帰ってきた・・
この話を聞いて
大笑いしつつも
なんて正しい霊能力者なんだと感動しました。

人間の最大の欲望って
多分、他人のために何かやりたい
役に立ちたい
ということなんだと思う
今の時代、元気で笑顔の素敵な人は
みんな欲が深い。

干したての布団は暖かくてよく眠れる。
太陽の力は偉大だ。

2月17日

ここ数日は寒い冬らしい日が続きます。
コートの襟を立てて
寒空の中を黙々と歩くのが
好きです。

CD-ROM画集ができあがって来ました。
綺麗に仕上がって嬉しいです。
いろいろな方に感謝します。
ありがとうございました。

2月20日

引っ越しをします。
「スタジオぶらぶら」は東へ2キロほど移動。
今度引っ越すところは、ちょっと古めの商店街のある街で
商店街の近くに神社があって
ホームページに載っているスピリチュアル下町探偵漫画
「千座天法探偵事務所」
を描くには絶好のロケーション。

引っ越しの荷物をまとめていると
たかだかひとりの人間に対して
なんでこんなに荷物があるんだろうとちょっと愕然とします。
リュックサックひとつだけで
どこにでも住めるとかっこいいのにね。

2月22日

CD-ROM画集が発売日より早く出回っているようで
ぼちぼち感想を頂いております。
なんか評判いいみたいなので
ほっとしました。
葛生さんの音楽がとっても素敵で
嬉しい限りです。

引っ越しの準備がなかなか終わりません。
段ボールがいくつあっても足りずに
ちょくちょく東急ハンズに買い足しに行ってます。
バスに乗って多摩川の土手を眺めながら
あーもうここに来ることもないのかと思うと
ちょっと寂しいです。
サックスの練習もできなくなるし
(最近全然吹いていないのだけれど・・近くに公園があるから、そのへんで・・)
ドラムセットも叩けなくなるし
(もちろんシンセドラムだけれど、バスドラのキックの振動がすごいので
とても今度引っ越す二階では叩けません。しばらく押入に保管)

使わないエアコンを
リサイクルショップに引き取ってもらいました。
よかったよかった、捨てなくて・・

中国へ旅立った友人から
早速手紙が来ました。
元気そうで安心しました。
夢を追っているねー
がんばっているねー

明日は引っ越し先の大家さんに会うので
少し綺麗なかっこをしていこうと思っています。
そうだ
身なりが汚いせいかどうか自分ではよくわからないのですが
不動産屋さんによく学生さんですか?と聞かれました。
三十路をとうにすぎているのにさ・・

さらに
三十路を過ぎて
未婚でイラストレータなんていう人でなし(人として扱われない)には
なかなか部屋を貸してくれません。
画集とかもって不動産屋回りをすると
不動産屋さんには評判がいいのですけれど
不景気のせいかなかなか大家さんはOKと言ってくれなくて
苦労しました。
おかげで今仕事場に使っているような
二間の部屋は結局貸してもらえず
後藤と加藤は近所に別々に一間の部屋を借りて
当分お互い行き来をしながら仕事をしなければならないはめになりました。
とりあえず今月引っ越すと大家さんに言ってしまった以上
なにが何でも住む部屋を見つけなけりゃなんないので
ちょっと焦りました。
あぶなく住所不定になるとこ・・

(注)今度住む○○区では入居審査が厳しいらしくて
なかなか自由業者にとっては住みづらい区なのです。(知らなかった・・)
こんなに厳しいのは初めてで
どこの区とは言いませんけれど
多分この区に住んでいるイラストレータは僕らだけでしょう
チャレンジャー!(笑、いや泣)

仕事場はそのうちゆっくり見つけます。

2月22日

引っ越し先の大家さんが
優しくて素敵な人でとっても嬉しいです。
部屋は日当たりがとてもよくって静かなので落ち着いて仕事ができそう。
そこで仕事をするのが楽しみになりました。

今住んでいる仕事場の二階のばーちゃんが
お別れの挨拶に来てくれました。
握手なんかしてしまって
仲が良かったのでちょっと寂しいです。
あんたの笑い声はなかなか素敵だよ、といってくれました。
すいません、でかい声で大笑いして・・
(けっこう二階に響いたのでしょうね。)
引っ越し先では気をつけようっと。

明日は散髪屋さんに挨拶だな・・

リサイクルショップに
20年前に買ったローランドのアナログシンセサイザーを引き取ってもらいました。
これもちょっと寂しい。

部屋探しをしている間にオリンピックが終わってしまいました。
どうなったのでしょうか?
でもとりあえずは
ダイナスティカップ!

2月25日

加藤の引っ越しが終わりました。
前の部屋から照明器具を持ってくるのを忘れて
(天井から吊ってあるので、つい・・)
部屋は真っ暗。

今度の部屋は仕事机のある窓から
隣のうちの梅の木が見えます。
いいな。

2月27日

明日は仕事場(後藤宅)の引っ越しです。
今日は近所の野良猫にお別れにご飯をたくさん上げました。
みんな何とか冬を越したみたいだね・・
発情期のせいか知らない雄猫もいっぱい混じっていて
喧嘩しながらご飯を食べていました。
みんな自由で元気で・・

引っ越しをしたおかげで
部屋を探すために
久々にいろんな人にあって話して歩きまわって
結構楽しかった。

2月28日

仕事場引っ越し完了
トラックの荷台ぎりぎりの荷物で
これで自転車があったらやばかったな、と引越屋さんの弁
よかったー自転車盗まれておいて(笑)

後藤と引越祝いに近所の中華料理屋に行く。
のれんをくぐったら
客が誰もいない。
しまった、まずそうな店にはいっちゃったと思いきや
予想に反してなかなかおいしくてラッキーだ。
夫婦でやっている店らしいが
奥さんはおどおどしているし
旦那は怒りながら炒飯を炒めている。
小学生らしい子供がただいまも言わずに帰ってきた。
陰気だ・・
おいしかったが陰気な店だ。
もっと明るく応対すればおいしいんだから客が入るのに・・


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