かものはし日記 8月号


8月3日

昨日うちのマンションにどろぼうが入ったらしくて
そういえば昨日の夜、外が騒がしくて
懐中電灯の明かりが窓からちかちかと漏れてきて
泥棒がどうのといっていたような気がするが
ここ数日腹の立つことが多々あって
どろぼうなんざ、どうでもよかった。
(来るなら来てみろっていう気分)
ちょうど、賊が入ったのがうちの階だったらしくて
今日、おまわりさんがいました。
確かにセキュリティーなんておしゃれなもんがない分
入りやすいのかもしれないが
その分もうけも少ないと思うな。
うちにはいっても一番高価なものはマックだ。
某ショップに売っても大した金にはならんぞ!

8月4日

昨日の今日なので、泥棒に入られる夢をみました。
部屋に帰ってきたら、泥棒がいて
本棚の角に落ちている小銭105円分を握りしめて立っている姿が
ちょっと哀れだったので
思わず何も言えずに泥棒がでていく姿を見送りました。

今日は絵の中で水の流れを描こうと思っていましたが
気持ちが水になれずに
今日描くことを断念しました。
「気持ちが水」なんて大層な言い回しをしてますけど
ようするに、いらいらしているということです。
なかなか自分の感情と折り合い付けるのは難しいです。

8月5日

昨日は上野にバレエの公演にいきました。
ロミオとジュリエットとか胡桃割り人形とかバレエ劇ののクライマックスシーンばかりを集めた公演で、なんと4時間 
間間にモダンバレエが織り込まれて
全16セットのパターンを全部違うダンサーで楽しめるという
フルコースでありました。
(有名なダンサーばかりらしいのだが、僕には誰だかさっぱり
男のクラシックバレエダンサーはみんなマイケル富岡
に見える。)

モダンバレエは好きで結構観にいってたのですけれど
クラシックバレエを目の前で観るのは初めてで
モダンバレエが観念的なのに対して
クラシックバレエは
「おれはおまえが好きだー」とか
「私はあなたが好きよー」という
普遍的な愛情がストレートに伝わってくるので
なんかほっとしますね。
男も女もくるくるくるくる回って
嬉しそうで素敵です。

8月12日

ジャニス ジョプリンの
「サマータイム」を聞いて夏ばてを解消する。
せつない絶叫

仕事場猫のアナクロが
先月買ったおんた焼きのコップを机から蹴り落として割る。
彼女は机の上にあるじゃまなものはなんでもけ落とすので
うちは大事なものはなんでも床においてある。
(カメラとか・・)

「アナちゃん、そんなことしちゃいけないよ。」
という怒り方に問題があるらしい・・。

8月13日

さんまが店頭に並び始めましたが
一匹300円はまだ高いな。

いつもバランスを考えて絵を描いているつもりが
知らず知らずのうちに
自分の意図しているバランスがぶっこわれてきて
壊れたバランスの中から
生々しい何かが
立ち現れてきて、うろたえてしまうのだが
それに立ち向かっていくと
新しい何かが見えてきたりして
とてもうれしい。
何かちょっと「自由」になったような気がする。
でも
それに立ち向かうのが大変で
こわかったり
めんどくさかったりで
なかなか正面切って立ち向かえない。
この立ち向かうためのエネルギーって
やっぱり愛情なんでしょうね。


「愛」の反対は「めんどくさい」。

8月14日

お盆休みの東京は、とても静か
空気は綺麗で
されに今日はとても涼しい(遂に冷夏か!いやもう秋だ)
避暑地にいるようです。

友人(人妻)からとうもろこしと自家製の梅漬けがきました。
しその真っ赤な色がとても綺麗な梅漬け
自然の赤はいい
ああっご飯がおいしい(おかずなんかいらない。)
夏ばての胃には最適

ということで今日はとても幸せ・・

8月15日

今日も涼しい一日でした。
どんよりとした曇り空でしたけど
たまに雲の隙間から光が差し込んだりして

「ひかり」という写真集を
本屋さんの店頭で見つける。
東京の風景写真
ヒロミックスという若い女性写真家が撮影
泣きそうになるくらい寂しくて
切ない。

野良子猫シシオの目の腫れが治ってきたので
ちょっと安心
眼球の傷じゃなくてよかった。

8月16日

テレビのニュースで
銀行にアライグマを抱えた強盗がやってきて
「金を出せ!出さないと、このアライグマを殴るぞ。」
と言うと、銀行員が思わずお金を出してしまったという
嘘のような話をやっていました。
いい話
他にコンビニとかでもやって成功したらしい。
世の中優しい人が多いですね。

水の都ベネツィアは
人口6万5千人に対して飼い猫1万匹
野良猫5千匹
野良猫は自由猫と呼ばれているみたい
(彼らにはペストから人々を救った誇りがあるのだ。)
ベネツィアは車乗り入れ禁止なので
車に引かれることはないらしいです。
猫の楽園
でもたまに人間にひどい目にあって
下半身が麻痺している猫もいて
ボランティアの人が介護しているのだけれど
怯えていてふるえる体で逃げようとする姿が痛々しい。
世の中にはひどいことをする奴もいる。

昨日から描いていた絵が
この先どう転がしたらいいのか分からないまま
帰路についてビールを飲んで寝て
朝、目が覚めた瞬間
「あー今日はどうしよう、どうしたらいいんだ。」
と思いつつ仕事場に向かい机の前に座り
何気なく線を一本ひいたら
ぼあーと世界が広がって
何とか絵が完成しました。
何気ない一本の線なんですけれど
何気ない一本が難しい。
でも
たったの一本
たった一歩踏み出すだけで世界は広がるのですね。
何も力まなくても
ちょっとの勇気でいいんですね。

8月18日

野良子猫シシオの目の腫れは
風邪みたい。
風邪だったら食わせりゃ治るな。

昼間は仕事場の部屋の窓から外を覗くと
子猫三匹がコンクリートの上で
気持ちよさそうにしていて
なんか「ごろんた!」という感じだ。
みんな、車(鉄の風)には気を付けてね。

精神(心)って
人間全体をひとつのシステムと考えれば
自然界のなかの水のような立場だと思うのだけれど
だとすれば
水が自然界の中で循環して浄化していくように
心もうまく循環させて浄化する方法があるはずで
頭の中だけじゃなくて
もっと体全体に循環させたい、という
ひとつの方法が「ダンス」なのかなあと思ったりして・・
ようするに
体を動かすということは
心を循環させるという事なんでしょうね。
あっいやっ、つまり運動不足はいかんなと・・(笑)

8月19日

今日はカルビ肉が安かったので
たくさん買ってきて
人間は焼き肉
猫は生であげたら、野良子猫は大喜び
おかあさんにあげても
おかあさん猫は子どもが食べてるときは食べないんだよねー

横浜ベイスターズ調子がいいじゃないか
これはひょっとすると・・

8月20日

さんまが200円になったので思わず買う。
(ほんとは100円くらいになるまで買いたくなかったのだが。誘惑に負ける。)
さんまを捌いて塩をふり皿に載せ
ガスこんろの上にしばらくおいておく。
(アナクロはガスコンロには決して近づかない)

夕方、猫缶を買いに近所まででたら
綺麗な若奥さんに挨拶されて
後ろを振り向いても誰もいないので
きっと僕に挨拶したと思うのだが、誰だか分からない。
家に返って
ハードディスクから
「女友達」のファイル(テキストだけで200メガ位)
を開くが全く見あたらない。(うそ)
最近物忘れがひどいのでちょっと不安。

8月21日

横浜、ヤクルトを3タテ!
ペナントレースがやっと面白くなってきました。

近所に小さい公園があって
そこに路上生活者のおじさんと犬が二匹いて
おじさんは毎日ベンチをベットに寝泊まりしているのですけど
役所の人たちがベンチで寝れないように
ベンチの真ん中に三角形の仕切を取り付けていました。 
ひどいことするなあと思っていたら
でも、おじさんはめげずに仕切と同じ高さに段ボールをひいて
無理矢理寝ていました。
そしたらさらに高い仕切を取り付けて
もう絶対寝かせないという役所の意志表示に負けたのか
おじさんと二匹の犬はいなくなってしまいました。
こんな意地悪に自分の税金が使われていると思うと悲しくなります。

8月22日

横浜はもし優勝したら、37年ぶりの快挙らしい。
1960年第一次池田内閣発足の年だ。
すでに歴史ですね。

絵を描くというのは
基本的に、失敗の連続で
苦肉の思いで失敗を取り繕いながら
出来上がっていくので
自分でも思ってもみない方向に進んで行くわけです。
それが面白いと思えるエネルギーに満ちているとき
いい絵が描けます。
(まあ、年にいっぺんあるかないか・・)

8月23日

夕方から
久々の雨。
久々に雨の音を聞くとなんとなく落ちつきます。
いろんな事を考えたりします。

8月24日

「愛という
人の手には負えない怪物
から目をそらす。」
多分、これが今の世界の基本方針でしょう。

どうしましょう?

8月25日

友人が貸してくれたプレステがうちにあるので
テクノミュージック作成ソフト「DEPTH」
を買ってくる。
ちょっとやってみたんですけど
結構楽しそう。
イルカのCGが気持ちいい。

8月26日

夏もようやく終わりが近づいてきたみたいです。
ふう
今年は冷夏という予想通り
気温が40度を越すこともなく
少し寒いくらいの夏でした。
いつも気象予報士の予測の正確さには
頭が下がる思いです。

今日はつるむらさきを
天ぷらにしてみました。
苦みと甘みを同時に体験できる大人の味ですね。

8月27日

マウイ島の女性達の写真集
MARURU
を買う。
サイボーグのように精錬されたヌードを見慣れているせいなのか
丸みを帯びた柔らかい感じのマウイの女性達が
とても美しく見えます。
自然とともに暮らしている誇りが
美しさの源でしょうか。

8月28日

夏バテでぼろくそ
足の裏の一部が痛い
多分内蔵が弱っているのでしょう。

8月29日

トニーレヴィンの新譜を買う。
アメリカのどっかの洞窟のなかで録音したそうです。
あるジャズピアニストは自分の出した音が壁に反響して返ってくる音を聞いて
次に出す音を決めると申しておりました。
それゆえにホールの音響特性によって
そこに立ち現れる音楽が変わってくるそうです。
洞窟のなかでの演奏は
さぞかしスリリングだったのではないでしょうか。
音楽が洞窟の中で複雑に反響して
それが再び演奏に絡んでいく。
レヴィン自身も
洞窟の音響特性がもうひとりのメンバーだと申しておりました。
いい仕事をしてますね!
ほんとにうらやましい。

友人がハッピーマニアというマンガを貸してくれました。
少し頭が壊れました。

8月30日

アストル・ピアソラ作品集を聞きながら仕事をしました。
タンゴです。
2台のピアノから紬だされる愛と激情
とりあえず夏ばてで弱った体を
タンゴで立ちあげる
「ロス・タンゲーロス/アストル・ピアソラ作品集」
ピアノ エマニュエル・アックス+パブロ・シーグレル
SONY RECORDS
お勧めです。

動物の赤ちゃんがおかあさんのお腹にいる期間と
その動物が成長して死んで
死体が土にかえっていく期間は
ほぼ同じらしいのです。
なんかいい話でしょ

ウルトラマンティガの最終回を観ました。
ティガはみんなのヒーローではなく
みんなの勇気の意識の集合体だったのですね。

8月31日

足の裏にサロンパスを張りまくると
足のつぼが刺激されて
体調が良くなります。

ゴリラは
一日数時間は
ひとりでいる時間がないと
ノイローゼになってしまうらしいです。
なんとナイーブな生き物でしょうか。
人間もひとりの時間がとても大切です。
孤独といかにポジティブに向きあうか。
孤独の内側にたくさんの開かれた扉のある人は
ほんとに素敵な人ですよね。
たまにそーいう人いますよ。
電車に乗ったりすると
あっあの人、ただ者ではないな、って感じで・・


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