かものはし日記10月号


10月1日

謝ってもどうしようもないことは絶対しない
とりあえず
何か失敗をやらかしても
謝れば何とかなることだけをしよう
と心に誓う
(それが感受性というもの)
原子力を筆頭に
失敗したら謝って済む範囲をはるかに超えてしまう科学など
きっぱり捨てて
謝って済む範囲内でできる科学を発展させるてほしい
ていうか
それは十分可能だと思うし
全く違った方向性が開けるかも
(参考文献
ルパート・シェルドレイク著
「世界を変える7つの実験」工作社)

もう10月だというのに
蚊に刺された
蚊に刺される数秒前
すでに空間がかゆい
そういう経験ってない?

10月2日

新宿のタイムズスクエアの2階の休憩所で休んでいたら
座席がぐるりと並んでいるところの
一つ隣の女の子が
しきりに僕のことを見ているので
何の用だろうとちらっと眺めたら
せっせと僕の似顔絵を描いていた
美術系のオーラを放つ女の子なので
なるほどデッサンの練習をしているのね、と納得したのだが
僕はといえば
ちゃんと描けるようにと
顔を動かさずにじっとしていて肩が凝った(笑)
(俺ってビジュアル系だからこーゆうことは多いんだよ、やれやれ(うそ))

10月3日

久々にイラストコーナーをアップしました
モノクロイラスト10枚
タイトルは
スピリチュアル・ファッション
東京に住むネイティブアメリカンといった感じかな
直接行きたい方はここをクリック

タイトルイラストも変えました
今回の俳句は
「どの窓も明かりの消えて星の恋」
作者は前回同様如月美樹さん
季語は星の恋
七夕のことです
夏の季語だとお思いでしょうが
陰暦7月7日は秋なのです
夜が長くなってきました
頬杖をついて
夜空のことを想うにはいい季節です

10月4日

昨日は久々にパソコンと格闘して
ホームページの更新作業に取り組んでいたものだから
肩こりがひどい
パソコンを使った作業は疲れるね
機械を使っているつもりが機械に使われているような気がして
はっと我に返ったりして
思うのだが
人間が機械を作ったのではなく
機械の精霊が
人間に機械を作らせているような気がしない?
情報理論の進歩に伴って
人間の思考はますますコンピュータ化して
遺伝子コードの研究が主流の生物学から
システム論一辺倒の社会学から言語学から心理学まで
(カオス理論だって・・)
どっから観ても
人間は情報処理生物だといっているようなもの
すでに裸の猿ではなく
毛の生えたコンピュータだよね
機械の精霊たちの野望達成はもうすぐです
臨界事故も
機械の精霊の立場からすれば
人間はまだまだ生物的要素が強すぎて
うまく機能しないな、と思っているのかもしれない
そんな機械の精霊に対抗するためには
言葉の精霊を味方につけるしかありません
言葉は機械よりはるかに古くリアルな道具です
生物的な道具もしくは部品
そしてその部品より生み出された詩は
世界のあらゆるところからエネルギーを引き出し
世界のあらゆるところと交信できる力を持っているのです
いまこそ詩の復活を・・

10月5日

言葉より生まれた
詩的なるものは
人の想像力と自然に対する感受性を拡大させることのできる
唯一のテクノロジーだと思います
・・だと願っています
宇宙を解き明かすすべての方程式が
数字だけではなく
数字を含んだ
詩で
表される日がくるかもってね

レンタルビデオ屋さんのレジの前に
迷い猫のポスターが・・
ビデオ屋を出て
歩いていたら似たような猫に出会う
近寄っても逃げない
これは、と思ったけれど
しっぽが曲がっていなかった
迷い猫はしっぽの先が直角に曲がっていると書いてあったから
違うのかもしれない
でも似てたなあ

10月6日

朝の散歩の途中
屋根瓦の張り替え作業を目撃する
昔ながらの日本家屋は今の建物と違い手間がかかる
手間
物(人)と手の間にあるなにか
この間にあるなにかを実感できないと
幸せにはなれないよね

10月7日

君と僕とは相性が最悪だけれど
君のことを世界で一番愛しているぜ
というセリフで始まる
冒険型恋愛小説を読み始める
(タイトルは秘密、ヒントはとある神話学者がその本の帯にメッセージを寄せている)
別にヒーロー、ヒロインのまわりで次々と何かが起きて
それを切り抜けていくという話では全然なく
日常の何でもない生活のなかで
たった二人というシンプルな関係性だけで
分かり合う、というただそれだけをテーマに
命がけのやりとりが繰り広げられる
という感じ。
なにをするにも命がけ、だね

10月8日

過激な妥協
これも野生のひとつのあらわれ
フリージャズもその成果の一つ
(キングクリムゾンプロジェクトを聞いていたら何となくそう思った)
世界はなにも主張しない
なにも主張しない世界で自己主張するのは品がないものね
なにも主張しない世界に過激に妥協したい
過激に身をゆだねたい

1階の中国人が友人を呼んで騒いでいてうるさい
相変わらず声がでかいし高い
ま、しょうがねーか

10月9日

渋谷という街は好きではないのだが
ジャズ系のCD屋さんとか
個性的な品揃えの本屋さんとか
僕にとって、ある程度必要な物があるので行かざるを得ないのだ

渋谷はしんどい
渋谷にいられる時間はほぼ3時間
それ以上いると目の奥が痛くなる
胸のカラータイマーも点滅している

カザフスタン戦はそれなりにおもしろかったのだけれど
ピッチがぼこぼこで
華麗なパス廻しが見られず
ロングパス中心の大味な試合だったのがちょっと残念
キムチ鍋を食べながら
ビールを飲んで観戦

10月12日

口笛はいつもインプロビゼィション(即興演奏)
調子がいいと
コルトレーンが降りてくる

しかし、暑いね
もう10月の半ばだというのに・・
冬は来るのだろうか
商店街を散歩しているとき
「暑い」と小声で言ったつもりが
大声になってしまって恥ずかしかった

10月13日

暑いから、というわけではないのだけれど
プールへ泳ぎに行く
まだ午前中だけれど結構人が多い
ばりばり泳ぎたい人用とのんびり水の中を歩きたいお年寄り用とで
プールをロープで二つに仕切っている
もちろん僕はお年寄り用の場所でばりばり泳ぐ(笑)

いつもの散歩コースにあるペットショップ
3ヶ月ほど前からずーっと売れ残っている少年少女猫たち
ずいぶん大きくなってきて
すでに子猫ではなくなっているのだが
(子猫じゃないと商品価値はないでしょう?)
いったい彼らは売れ残ってしまったらどうなるのであろうか
考えたくない
生き物を売る奴も買う奴も嫌いだ、嫌いだ、嫌いだ

10月14日

絵を描くときに考えるのは
いつもバランス
バランス
バランス
絵を描くとき以外でも
ふだんの生活でも
人との関係性も
バランスというのはとても大事
バランス
バランス
何度も唱えていると
ほとんどお祈りだよね(笑)
バランスの神様に祈る
そもそもバランスとは
「祈り」そのものかもしれない

10月15日

いきなり寒い
こーゆう急激な気温の変化についていける歳ではないのだが
なぜかすこぶる元気だ
散歩をしていたら
突然体の中でカチリという音がして
体が軽くなり
エネルギーがみなぎり
歩行速度が増した
これがインディアンがゆうところの
「力の歩行」というやつか
もしくは加速装置か(笑)
その勢いで
夜、プールに泳ぎに行った

10月16日

受難者のような顔をして
友人は
誰も傷つけたくないから
他人とはつきあいたくないと言う
いいじゃねーか
傷つけたって
傷つけたら謝ればいいじゃねーか
と僕
謝りたくないから
そーゆうこというんだろ
と僕
すべての言葉はナイフだ
「愛しているよ」という言葉すらも
でも
「ごめんなさい」だけはナイフじゃなくて
ばんそうこう
来世紀は
いろんな人にいろんなものにあらゆるものに
「ごめんなさい」を言う「ごめんなさい世紀」かも(笑)

10月18日

プライドのためではなく
本当に好きなことをやっている人は
いい人だ
いや、いい人にならざるを得ない
(だって本当に愛しているものに毎日向き合っているんだもん)
と何かの本に書いてあったのを思い出す
僕は本当に絵を描くことを愛していて
いい人なんだろうか(笑)
いい人の訳ねーだろ(後藤)
お前もな(加藤)

10月19日

風邪をひく
たいていは
抵抗しないで
風邪の好きなように振る舞ってもらい
あんまり暴れないでねとお願いしつつ
彼が過ぎ去るのを待つことにする
変に薬などを飲んで
彼の進行を妨害すると
症状が長引いたりして後々面倒なことになるのだ
たまには彼とつきあうのもいい
(誠意を込めて温かく彼をもてなせば、長居はしないと言ってます
そう、彼も愛がほしい(笑))
というか
適度につきあっておかないと
彼はすねて大暴れをするのだ
(久しぶりに風邪をひくと大風邪になっちゃうでしょ?)
たまに軽い病気になるのは健康の印(笑)

10月20日

ジムホールのアランフェス組曲を久々に聴く
何年か前
友人のうちに呼ばれて
友人数人と延々と話をして
電車がなくなって
タクシーで帰らなければならなくなり
タクシーのラジオで鳴っていたのがこの曲
いくら話しても気持ちが通じなかった相手と延々と話した寂しさと
タクシー代に6000円もかかってしまった悲しさで
タクシーの中で思わず涙ぐんでしまった(笑)
うーん、しかし名曲

10月22日

勇気を出して大切な言葉を大切な人に発する瞬間
背後でそれを後押ししてくれる存在に
初めて気づいた
そんな日でありました
ほんとにね
ひゅって押してくれたんだよ

10月23日

4人の美しい女性たちと
お昼に
懐石料理を頂く
元気な彼女たちを見ていると
21世紀は女性の時代だなってあらためて思う
一昔前のように
女性が自らの女性性を捨て男性化して社会に関わっている(戦っている)のではなく
彼女たちは女性らしくしなやかに世界に対応し
世界を変えつつある
世の男性はそんな彼女たちを煙たがっているようだけれど
実は男にとっても
決してこの新しい世界は住みにくくはないはずだ

10月24日

平和ぼけ
という言葉を数年前からよく聞くけれど
平和でぼーっとしててなにが悪い
と思うのだ
まるで
人は
常に戦争状態でいなければ
まっとうなじゃないような言い方だ
人が戦うべきは
他者でも他民族でも異星人でもなく
自分の中にある自己憐憫のみのはず
自己憐憫との戦いは
まさしく平和ぼけの中でぼーっと行われるものなのだ(笑)

10月25日

IHジャー炊飯器を買ったので
わくわくしながら
早速ご飯を炊いてみようとスイッチを入れると
なにやら変な音がする
壊れているのかと思って
マニュアルを開いてみると
どうやらマイコンで温度調節をしている音らしい
いやーな音がするのだ
ぶーん
ぶーんって

10月26日

暦の上ではそろそろ冬らしいが
今日は暖かくて気持ちのいい
小春日和と言うよりは
小夏日和?が続いた今年の秋
本当に冬は来るのだろうか

日々襲ってくる
俺はなんてだめなんだとか
俺はなんてかわいそうなんだという
自己憐憫との戦いに
疲れ果てて
他人と戦う気力も体力も残っていないぜ
という状態が
僕にとっては一番いい状態
そういうときは人に優しくできるのだ
攻撃的じゃなくなるし
だからいつも
自分との戦いに疲れ果てていたいと思うのだ

観てもいない映画
ラン・ローラ・ランのサントラを借りてきて聴く
やっぱりいいねえ
ジャーマンテクノ
どこまで行っても終わりのない永遠の滝のような音楽

10月28日

最近
夢を見ていると
夢の映像の左下に
野球結果のテロップが入るのだ(笑)
巨人2-3広島
とかね
夢判断的にはどういうことなのだろう?

王監督が宙に舞う
巨人の監督時代よりずっと楽しそうに采配している姿を見ていると
なぜか目頭が熱くなる
苦節五年
くせ者揃いのホークスナインをひっぱっていくのは
さぞかし苦しくて楽しかったでしょう
巨人ではできなかった
緻密な草野球の完成に拍手

10月29日

恋に落ちる(墜ちる?堕ちる?)
とよく言います
要するに
恋は落下運動と言うことになります
では愛は?
愛は上昇運動
愛は「登る」ものらしいのです
愛は大変だあ(笑)

後藤の弟君の赤ちゃんが
2000年に生まれるそうです
(おめでとうございます)

弟君が名前を募集しているらしく
後藤が僕に何かいい名前はないかなと聞くので
迷わず
「後藤2000」と答えました(かっこいー)
いかがでしょう?
(すまん、冗談です)


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