『斉射』
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 「全艦フェイザー発射!。」クリストファーの力強い声と同時に野良猫艦隊の主砲が火を噴いた。
 『デセイバー』の輝きの中に新たな光球がいくつも生まれる。敵艦の大部分は『デセイバー』でも破壊を免れているが、防御シールドにはかなりの負荷がかかっている。そこに攻撃を加えれば容易に敵の防御シールドを貫通できる。
 『デセイバー』とその後の主砲攻撃により敵艦の1/3を撃破。現段階の単純戦力比は2:1。装備差を考慮して1.3:1となった。更にクリストファーはほぼ同戦力となった敵艦隊に対し火力を敵中央部に集中させることにより敵戦力を分断し、主力艦隊とブルーツイスター分隊合わせてほぼ倍の戦力で敵左翼艦隊に波状攻撃をかけた。敵右翼艦隊に対しては、ブルーツイスター分隊が敵左翼艦隊に突入している間の主力艦隊の牽制攻撃と『デセイバー』を装備した改造無人搭載戦闘挺で対処。搭載戦闘挺『スティングレー』の生命維持システム、ミサイルシステムをすべて撤去し、シールドジェネレーターと『デセイバー』を装備。軽巡洋艦から射出された戦闘挺は回避運動をとりつつ敵右翼艦隊に接近した後、強化されたシールド内をフェイゾン粒子で満たしつつ敵右翼艦隊内に進入。撃墜されるかシールドオフした戦闘挺は膨大なエネルギーを放出して敵艦隊の侵攻を阻止する。
 『デセイバー』を効果的に機能させるためにクリストファーは戦闘挺攻撃を4波に分けて行った。第1波と第2波は正面から突入。第1波の戦闘挺には『デセイバー』ではなく光子ミサイルシステムを残して突入させた。第2波には『デセイバー』を搭載、第1波同様通常攻撃と判断した敵艦隊の攻撃をかいくぐりシールドオフ。第3波は正面からは『デセイバー』を搭載するかわりにひたすらシールドを強化した戦闘挺を突入させ、早期破壊を目論む敵の集中砲火を引きつけると同時に、あらかじめ配置しておいた『デセイバー』戦闘挺を敵艦隊下方から突入させた。これにより敵の攻撃目標を混乱させた上で、第4波はのこりすべての『デセイバー』戦闘挺を前方、上方から突入させた。
 開戦当初は野良猫艦隊が優勢に戦局を進めていたが、『デセイバー』の混乱から立ち直ったエイリアン従属種族艦隊も体勢を整えて反撃を開始、戦局をほぼ互角に押し戻した。

 戦闘は一進一退を繰り返し3時間が経過した・・・


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