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目も眩む閃光がエイリアン艦隊を包む。 『デセイバー』・・・詐欺師という名を持つ連邦軍の兵器である。 最近発見されたフェイゾン粒子を、ある程度制御できるとはいえただ単に宇宙空間に散布するだけの単純兵器である。フェイゾン粒子は通常のセンサーでは宇宙空間でも拡散しにくい性質を持つだけの何の変哲もない粒子だが、実は位相空間にある反粒子とペアを成している。安定した粒子なので宇宙船で横切ったとしても何も起こらないが、フェイザー等の高出力エネルギーに出会うと位相空間の反粒子が通常空間へ位相変換を起こし、対消滅反応で膨大なエネルギーを発生する。 位相技術を持っていないと何の危険もない粒子としか見えず、持っていたとしても通常空間の粒子が無害である事を確認して安心してしまい、位相空間にある反粒子の存在を見過ごしやすい。故に『デセイバー』と命名された。強力な破壊力を持つ兵器であるが、敵を包み込んだ状態で反応させないと意味が無く運用が非常に困難であるため、あまり使用されることは無い。 今回の作戦では、相手が位相技術を持っていないエイリアン艦隊が無警戒に進軍したことと、敵艦の射程を考慮したクリストファーの艦隊運行により有効に作動した。 宇宙空間にエネルギーが荒れ狂う中、宇宙の一角で静かな声が命令を発した。「行きます。」・・・ |