『緊迫』
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 「ランスフィールドだ。どうやら敵さんは出ていってはくれないらしい。残念だがまもなく戦闘に入らざるを得ない。まぁ各艦3隻の割り当てだが作戦通りにやれば何とかなる。4時間耐えれば援軍が到着するのでそれまでの辛抱だ。しかし、決して無理をするな。危なくなったらとっとと逃げ出せ。」
 逃げ出せの言葉を聞いたとき一部の艦ではざわめきが起きた。通常軍隊では「逃げる」は禁句である。以前からクリストファーの下にいた者はともかく、最近編入した者にとっては異常な発言であった。
 「いいか、もう一度念を押しておく。危険な状態になったら躊躇することなく逃げ出せ。この言葉が気に入らないならば転進するとでも考えろ。戦線離脱も撃沈も戦力的には同じだ。どちらも同じなら命を無駄にするな。特に各艦の上級士官に言っておく。くだらんプライドなどで部下を危険にさらすな。」
 クリストファーは少しの間をおき静かに言った。「それじゃいこうか。」

 エイリアン従属種族艦隊は多少速度が落ちたものの前進を続けている。敵艦隊との距離を確認したクリストファーは指示を出した。「敵艦がDポイントに到達すると同時に敵艦の射程内に入るように速度を調節。デセイバー発動10秒後、本隊は斉射3連。その後は指示があるまで各艦にまかせる。ブルーツイスター分隊は発動後直ちに行動開始。引っかき回してやれ!・・・そろそろだぞ。スクリーン明度を落とせ。」
 エイリアン艦隊、野良猫艦隊ともに前進を続け両者の間は刻々と縮まる。そしてついに両者の間はエイリアン艦隊の射程と等しくなる。エイリアン艦隊が一斉に砲撃を開始した瞬間・・・・


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