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「このままだと『マナティー』が集中砲火を浴びる恐れがあります!」 「全艦停止!『マナティー』を呼び出せ!」 スクリーンに『マナティー』艦長カーペンター少佐が映し出された。2ヶ月程前に野良猫艦隊に配属となったカーペンター少佐は29歳、クリストファーの25歳、リュウイチの26歳と比べると年上であるがこれは彼らが若すぎるのであり、連邦でも数える程しかいない若い少佐である。眼光鋭い瞳、引き締まった口元、まさしく絵に描いたような軍人である。 「何故後退しないか聞かせてもらおうか。」 「このまま後退すればすでに最終防衛ラインに近く、突破されれば後がありません。」 「第一だろうが最終だろうが、突破されなければ済む話だ。後退命令はそのための策だ、承伏してもらわねば困る。」 「軍人たるもの何があろうとも踏みとどまって戦うべきであります。後退などという不名誉な命令は承伏できかねます。」 「・・・それが本音か・・・・開戦前に言ったはずだ、くだらんプライドなどで部下を危険にさらすなとな。よそはどうか知らないが、ここに配属になったからには軍人がどうのこうのという考えは捨ててもらおう。」 「・・・・・・・あなたには付いていけない。」 カーペンター少佐の姿がスクリーンから消えた。 「『マナティー』さらに突出!」 「敵の攻撃が『マナティー』に集中しつつあります!」 「プライドが服を着ている軍人ほど度し難いものはないな・・・。全艦前進しつつ『マナティー』に攻撃をしかけているフナムシに攻撃を集中!分隊にも援護するよう伝えろ!ヴァーダンを呼び出せ。」 『ステラ』艦長ヴァーダン少佐がスクリーンに映し出された。32歳のヴァーダン少佐は後のクリストファー艦隊の一翼を担う人物であり、常に笑っているような柔和な顔が特徴となっている。彼の戦闘スタイルはその柔和な顔とは反対に苛烈なものである。ただし、猪突猛進というわけではなく、常に冷静に戦況を判断している。 「何でしょうか?」 「カーペンターが言うことを聞かない。首根っこを引つかんで引きずり戻せ。」 「手段は?」 「まかせるが艦の安全が最優先だ。」 「了解しました。」 「『マナティー』のシールド15%に低下!危険な状態です!」 『ステラ』が『マナティー』の前方に出るべく加速し始めたとき・・・・ |